がんと向き合う

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川守田順吉 さん
(かわもりた・じゅんきち)
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北海道江別市在住。印刷会社の総務部にいた58歳(1999年)のとき直腸がん(ステージ3b)が見つかり、手術を受ける。人工肛門を造設し、術後は抗がん剤を3年間服用。好きなバッハと写真にうちこむうちに気持ちが慰められ、退職後は近隣の図書館や大学でボランティア活動を始める。2004年、新たにS状結腸がん(ステージ3a)が見つかり手術を受け、術後は抗がん剤を8ヵ月間服用。患者会「江別わかくさの会」会長。
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9お酒とタバコ

「(手術後)立ち上がるとチカチカチカっと火花が飛んで、なんとなくフラフラする時期があったのですね。先生に『頑張ります!じゃ、第一目標、喫煙所まで歩くということでいいですか』と言って、病院の喫煙所まで行くのを大目標にして、タバコを吸いました。そのときまだ点滴だけで(食事は摂っておらず)、『なぜこんなにまずいものを何10年も吸っていたのだろう』と思ったのですが、3日吸ったらまたもとに戻っちゃいました。

お酒もそうです。病院から家に帰ってきて飲んだら、『本当にビールって、こんなにおいしくないものだったっけね、お母さん』と妻に言うと、『あらおいしいわよ』と。舌が麻痺していたのか、おいしくなかった。でもそれも3日経ったらもとの木阿弥でした。タバコはよくないと言われますよね。お酒も度を過ごしたらまずいので、できるだけ減らすように工夫をしてみたいと思います。」

●食事は薄味に

「入院しているときに血液検査をして『軽い糖尿病のようだね』という診断がありました。本当に軽いので、『できるだけ“(食事は)規則正しく”“暴飲暴食をしないで”“定期的に検査を受ける”という条件でよいでしょう』と。それ以来、ずっと普通の食事です。

そして年齢的にもやはり塩分を控えています。家は炊事当番があり、週に何回か私が作って出すと、子供は『ちょっと塩味が薄い』と。それをカバーするには『ダシの味を濃くする』というセオリーがあるみたいですけれども、どうしてもだめなのです。塩味が薄い。『そんなにしょっぱいもの食べていると、血圧が上がってたいへんだよ』という話はしているのですけど。食事のコントロールは本当のところ難しいです。」

●運動不足

「(運動は)歩くことだけです。歩くのと、冬は雪かき。雪かきは半端じゃありませんからね。だいたい1日か2日おきぐらいに小1時間ぐらいずつはします。

車の免許を持っていますけど、車は運転しなくしましたので、歩くか自転車です。片道2キロ以内は歩き、2キロ以上は自転車。自転車もお尻が壊れたらどうしようかと思うと、術後2年間ぐらいは乗れませんでした。でも今はもう平気ですから、自転車に乗るか歩くか、あと雪かきをするか。

夏30何度になったときに歩くわけにいきませんから、そういうときは、もう家でCDをかけているか、本を読んでいるか。夏は超運動不足だと思います。もともとあまり運動するほうではなかったのです。せいぜい釣りに行くぐらいでした。そういう意味で今(とりたてて運動というのは)何もしていません。」