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岡崎 正子さん
岡崎 正子さん
(おかざき・まさこ)
神奈川県在住。50歳のときに専業主婦から一転し、婦人服縫製の会社を設立。最盛期は社員26人を抱える規模に成長。2006年5月、79歳のときに肺がんがみつかる。4回の化学療法ののち、2007年夏より開始したイレッサ治療が奏効。現在は通院で服薬治療中。
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1起業して28年

「仕事を始めるきっかけは、主人の単身赴任でした。何か自分も仕事をしなければ当面はたいへんだったのです。子どもの頃から手先を使うことが好きで、文化服装学院の師範科を出ていましたので、それを生かすよりほかに思いつきませんでした。住まいの隣のマンションの1階に大きな事務所を借りて、(婦人服縫製の会社を)始めました。プロとしての仕事はしたことがなく、学校の知識だけでしたから、ずいぶん苦労して始めたことなのです。それがだんだん人も増え、場所もたまたま広かったので、いちばん多いときで社員が26人いました。

とにかく誠意をもって仕事をしたお陰で、営業をしなくても人づてにいろいろ仕事が回ってくるようになりました。最初は、主人が定年になるまでという気持ちでいたのが、結局、本当に好きだったせいもあって辞めるきっかけがつかめないままにずっと続けていたのです。

幸い、健康だけが取り柄で病院にはおよそ縁がありませんでした。健康のために毎日35分、駅まで歩いて始発電車に乗るという慌ただしい生活を続けました。 たまたま主人が軽い脳溢血になり、あまり放ってはおけないので、帰ってきたらすぐ主人の世話をして翌日の準備などをしていると、だいたい寝るのが12時くらいになりました。もう仕事は辞めなければと思いながら、やはり自分1人ではなく、一緒にやってくださっている人のことを考えると辞めることもできないで、ずいぶん悩みながら続けておりました。」