6心の痛みについて
「あるデータがあります。Palliative Care Unitという緩和ケアを専門にやる病床に入院された方へのアンケートの結果に、入院初期の頃はからだの痛みに関する訴えがすごく多いのですが、それが1週間2週間と経ってくると心の痛み、死んだらどうなるのかとか、そういったことに関する訴えが多くなってくるということです。ですから、緩和ケアユニット(PCU)は痛みのコントロールを専門にするところですから、そういうところでからだの痛みがコントロールできてくると、(心の痛みで)悩めるようになってくる。やっぱりまずからだの痛みはその人であることを奪ってしまいますから。だから本来、死ぬのが怖いとか家族とお別れしたくないとか、そういう本来感じるべき心の痛みまで感じることができないレベルの方が、まだまだ日本にはたくさんいらっしゃるんじゃないかと思います。」