「仕事は半日勤務で午前中だけ働いて、午後はいろいろ講演会活動など看護師ではないお仕事をさせていただいていました。(2008年)8月の後半ぐらいから少しだるくなってきて、肝臓の主治医が同じ病院に勤めているので、その先生にお願いしてエコー(超音波検査)を撮っていただきました。すると(肝臓の)7ヵ所にまた新たに転移があるということで、『またか・・』と思い、ショックで、病棟でも看護師長さんや職場の方たちの前で泣いてしまいました。
でも一日たったら結構すっきりして、また出てきたとしても、いろいろと治療法はあるのだし、諦めることはないと思い、主治医のところに行きました。それでまた抗がん剤治療をしたほうがいいということで、今回はナベルビンというおくすりを使いました。そのナベルビンは血管がかなり痛くなり、血管毒性というか静脈炎になるおくすりでした。たまたま私は手の先のほうから入れたのですが、ものすごく痛くて、もう気が狂ってしまうのではないかというぐらい、すごく痛かったです。それからはもう、手からは無理だということで、また(鎖骨の下のあたりに)ポートを入れる手術を10月の頭にしました。
そのナベルビンですが、腫瘍マーカーがどんどん上がってきて、9月、10月ぐらいには痛みが出るようになってきました。肝臓が腫れてきて、食べたものが消化されないのか、胸やけがすごく、ここのへん(右脇)の背中の痛みが強かったのですが、(医療用)麻薬を使うことには抵抗がありました。先生には『使ったほうがいいよ』と言われたのですが、『まだいいです、まだいいです』と言って延ばしていました。しかし、貼るタイプのデュロテップパッチというおくすり(医療用麻薬)を使ってみようということになり、貼ってみるとすごく痛みが楽になったのです。それで、『こんなに楽になるのだったら、もっと早く使えばよかった・・・』と思いました。今も使い続けていますし、それでも痛いときには、レスキューと言って、ロキソニンや、ボルタレン坐薬などをいろいろと使っています。やはり痛みがあるというのは、自分ががんだということを思い出してしまうので、あまりよくないというか、いちばんに取り除いてほしいのは痛みだなと今回感じました。」