6なぜ自分ががんに?
「いろいろと患者会からも情報が入ってきますし、あとはいろいろな本を読んだりして、できることをやっていこうと思っています。少しずつですが食生活を変えつつ、心の持ち方も変えつつ、いろいろとやっています。ある本に書いてあったのは、『がん闘病は人生を変える旅である』だったか、そういう言葉があり、私がどうしてがんになったのだろうといつも考えるのです。原因はわからないと言われてしまえばそれまでなのですが、みなさんやはり『ストレス』とおっしゃるので、私もストレスだな・・と思い当たる節はあります。なぜそのストレスをためてしまったのだろうと考えると、いい人、いい子ちゃんなのです。何か頼まれても断れないとか、そういう自分が自分をがんにしたのかなと最近、内省しています。少しずつ上手な断り方を覚えようと思っていて、アサーティブトレーニングという方法で、言葉の使い方を勉強したりしています。気が乗らないときには『今日は体調が悪いのでごめんなさい』と言うなど、少しずつ断るようにはしています。
たとえば、家事や洗濯物をたたむのを手伝ってほしい旦那さんに、『やってよ!』と言ったら絶対にやりませんよね。だから『いつも本当にありがとうね。あなたのことが大好きよ』と少し持ち上げてから、『いまちょっとだけ手伝ってくれると嬉しいんだけどな』というふうに言うと、『あ、やろっか』とやってくださるとか、その言葉の使い方のトレーニングなのです。人間関係能力を上げるためのもので、すごく勉強になります。結構、奥が深いですね。」
(山内梨香さんは2010年に逝去されました。ご冥福をお祈りいたします。)