「（抗がん剤の）ナベルビンが効かなかったということで、ホルモン剤を使うことになり、今現在はヒスロンというおくすりを2ヵ月ぐらい投与して、肝機能も落ち着いてきて、肝臓の腫れもとれてきましたが、副作用で太ってしまうのですね。『すごくごはんが美味しくなるから気をつけてね』と（先生にも）言われたのですが、本当に美味しくなってごはんばかり食べていたら、去年の春から10キロも太ってしまいました。『先生、この太るのがもう耐えられません』と言うと、この間、もう少し緩やかな、あまり食欲が出ないタイプのホルモン剤に変えてくださいました。それからは、食欲はそれほどモリモリという感じではないです。今のところ、だましだまし付き合っているという感じです。」
「ヒスロンは、（頬の）シミというか肝斑が濃くなってきて、どうしても抜けないのですね。あとは、足のむくみがやはり強いですね。むくんでなにか痛いのです。ノルバデックスと注射のデュープリンを8月までやっていたときも結構むくみが気になっても、利尿剤を飲むまではいかなかったのですが、今回はさすがに利尿剤を飲まないと、というくらいむくんで今も飲んでいます。」
「10月半ばからヒスロンを1ヵ月半ぐらい飲みましたが、結局フェアストンに変えたのが今月（12月）からです。逆に食欲が落ちてきて、心配になってきましたが、これが普通なのでしょうね。食べ過ぎるぐらいまで食べてしまい胸やけを起こして、また胃薬を飲んでということをしていたので。食べ過ぎるより食べないほうがいいと思い、最近は腹八分目にするようにしています。それが無理なくできるようになってきました。
（量は）ノルバデックスの3倍くらいで1日3回飲みます。『更年期の症状がまた出るかな？』と先生はおっしゃっていましたが、一時期よりはその『ふけさめ』がなくなりました。ふけさめとは、かーっと熱くなったりのぼせたり、冷えてきたりという症状です。それが夏ぐらいまですごかったのです。汗をかいて1日3回くらい洗濯機を回したりしました。すごく汗っかきだったのですが、9月からは全然、汗をかかなくなりました。お風呂ではかきますけど。」
「検査をしながら2ヵ月に1度はCT（コンピュータ断層撮影）や骨シンチグラフィなどの検査をしながら、治療はマイルドな感じでやっていただいています。経過をみてもしかしたら今後また抗がん剤を使うかもしれないけれども、そのときはそのときです。『いろいろと戦略を考えている』と先生がおっしゃってくれましたので、だいじょうぶです、たぶん。
立ち直りが早くなりましたね。前はやはり2週間ぐらいは引きこもっていたり、本当に『何かやろう！』と思うまでに何ヵ月もかかったりしていたのですが、今はあまり『完治』という言葉は使わないですね。なにかもう共存していこうという覚悟ができています。いますぐとか、来年には治したいとか、『そういう気持ちをもたなきゃだめだよ』という方もいらっしゃるけれども、私はあまり無理やり自分のがんを封じこめようとすると、がんが何か悪さをする体質じゃないかなと最近思うようになってきました。なので、悪くなっていなければ、悪さをしなければがんがあっても、たとえそこにがんがあっても、生きて、仕事をできて、一般的なこと、生活ができていればよしとしよう、というところにゴールが低くなってきました。立ち直りも早くなりましたけれども、目標が少しずつ下がってきたという感じもありますね。もう本当に最低限、生きているだけでいいですという感じになってきました。」