「すごく活発です。(開設されたのは)日本のほうが早いです。イギリスではね、プリングル(Pringle.J)という人が、いちばんメジャーな新聞(タイムズ)の論説委員だったのです。その人の(息子さんが)統合失調症になって、自分の体験を(新聞に)載せたのです、1970年に。ファックスで賛同(者)が来て、最初の会が240人だか集まりがあって……。
その名前も良かったですね、『ナショナル・スキゾフレニア・フェローシップ』。あまり精神障害とぼんやりさせないんですよ、統合失調症友の会(と)。それでどんどん広がっていって、統合失調症だけではなくて、今、『Rethinkレシンク』再考、レシンクという名前に変えて、活発です。国のほうも尊重しますしね。
家族の人達、みんなネット(全国精神保健福祉家族会連合会)と視察に行ったのです。イギリスで最大のサービスも一緒にやる組織(サービスを提供する非政府組織)なのです。家族会の権利擁護だけではなくて、研究費も出します、国のほうが。EUからも予算が出て、相当のお金を回していますよ。
日本でちょっと補助金を出すのですよ。それで、あんまり言うと怒られるけれども、国の政策に言うことをきかせようとしている。これがだめなのだけど。向こうの人には、日本でいう家族会のような雰囲気がないのですよ。自信に溢れているし、家族が社会からも国からも尊重されているので、みんないきいきとしている。」
「1999年に10か年計画でこの計画を立てたのですが、早期に目標達成していますからね。イングランドで700名、日本で人口換算すると1,800名ぐらいだから東京でいくと180人はいることになります。家族を支えるためだけの職種。国家資格ではないのですけどね。(元)家族もいるようです。7つほど役割があるのです、この専門ワーカーの(表2)。
実際的な情緒的な支援を惜しまないこと。励まし、それが第1番ですね。それから2番目には地域の法定サービスに結びつける支援。3番目が情報提供ですね。精神疾患がどういう性質でどういう治療法があるのか。4番目には先ほど言いました、24時間対応の危機管理サービスなどがあります。家族はもう孤立させないのだと、だから夜中でも助けに来てくれる。こういう情報がちゃんと伝えられる。日本でもよく自殺対策だとか、電話相談をしますとかいう政策が出てきますけど、本当にきついのです。相談されても提供する手段がないから、ただ傾聴するだけになってしまいがちです。電話相談をそれぞれやっていますよね、家族会が。でも、それも限られた支援でやりますから、相談に乗るほうも大変ですね。
実際的な支援ね、リップサービスではなくて。それから家族会支援、それから家族の休息支援、レスパイトサービス。それから政策決定に積極的に参加してもらう。それから家族の権利擁護というような8つの課題を700名の専門支援ワーカーがやると。」
1 | 励まし(情緒的な支援を惜しまない) |
2 | 地域の公的サービスに結びつける支援 |
3 | 治療法などの情報提供 |
4 | 24時間対応の危機管理サービス(孤立させない) |
5 | 家族会の支援 |
6 | 政策決定に積極的に参加してもらう |
7 | 家族の休息(レスパイト)サービス |
8 | 家族の権利擁護 |