統合失調症と向き合う

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中村 ユキさん
中村 ユキさん
(なかむら・ゆき)
漫画家。ユキさんが4歳のときにお母さんが精神科を受診。約30年にわたる統合失調症のお母さんとの悲喜こもごもの生活を明るくユーモアたっぷりに描いたコミックエッセイ「わが家の母はビョーキです」(サンマーク出版)を2008年11月に出版。現在、59歳になるお母さんと夫(介護福祉士)との3人暮らし。お母さんの統合失調症再発予防の取り組みについて描いた「わが家の母はビョーキです2:家族の絆 編」が2010年5月に、思春期向けの「うちの子に限って!?(宮田雄吾共著)」(学研)が9月に発行。近著に「マンガでわかる!統合失調症」がある。
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4障害年金を申請する

「措置入院以降は(母は)働けなくなりましたね。私も働かなきゃいけないとは思わなくなりましたし。母は、そのとき障害年金の申請ができたので、措置入院以降は障害年金2級を受給していたんですね、月額にして6万5千円ほどですけど。なので、母が食べる分には、私が家賃(分)とかを稼げばなんとかなるだろっていうぐらいで、もちろん豊かに暮らすとか将来の備えまですると考えたら、今思うとぞっとするぐらい厳しいですけど、それまでが大変すぎたので、まあなんとかなるかって、そのときは思っていましたね。だけど、今35歳の私から言えば、すごく不安定な生活だって怖くなります。」

障害年金:病気やけがなどによって、一定程度の障害の状態になった人に対して支給される年金のこと。障害の程度に応じて支払われる金額が異なる。

●ケースワーカーのアドバイスで手続きを

「それ(精神障害者保健福祉手帳が申請できること)は、措置入院のときに病院のケースワーカーさんとかが教えてくださったみたいです。措置入院のときは、私は大阪にいて母は東京だったもので、すぐに駆けつけることはできなかったんですね。おばが、手続きを役所とかに行ってくれて、書類は私が作るという形でした。そのときの役所の方がすごく親切で、『こんな手続きをいろいろできますよ』と、生活保護を視野に入れてまでの説明をしてくださったみたいです。」

●入院費のやりくり

「措置入院のときは、税金で全部払っていただけるのでお金はほとんどかからないんですけど、それ以降は、私がたまたま入院させていた病院がそんなにお金がかからなかった病院で、たぶん高額医療(高額療養費制度)とかも利用していたこともあると思うんですけど、1か月に多くても7万3千円ぐらいまでしかかからなかったんですね。なので、障害年金プラス1万円ぐらい私が出せばなんとかなっていたので、それはラッキーだったと思っています。他にもっと金額が高い病院とかいろいろあるみたいですので。」

高額療養費制度:医療保険における自己負担額の月々の上限を定めた制度。標準的はケースでは、上限が8万円+アルファ。
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