統合失調症と向き合う

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原田幾世さん
原田幾世さん
(はらだ いくよ)
1973年生まれの38歳(収録時)。31歳の時に入院治療を受ける。病名は統合失調感情障害。3回の入院を経験し、現在は、同じ精神障害をもつ夫、夫の母と3人で暮らしている。ピアサポートセンター(就労継続支援B型事業所)で生活支援員として勤務中。
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6結婚について
Q.ご主人と出会ったきっかけ

「今年(2011年)の8月に入籍しました。

出会いは、私が一番最初に通っていた作業所で、私がもうすぐ辞めるという辺りに主人が利用者として入ってきて、そこで出逢ったのが最初です。今から6年ぐらい前ですかね。5年ちょっとの交際を経て結婚に至ったんですけど。」

Q.夫が同じような疾患を持つ方で良かったと思うことはありますか

「ありますね。やっぱり病気に対して、病名はちょっと違いますけど(夫は統合失調症)、理解しようという努力をすごいしてくれたし。で、私も、やっぱりその期間がないと分からないことというのは、お互いあったので、(結婚の)タイミング的には、ほんとに良かったのかなあと思えるんですけど。」

Q.結婚生活がうまくいくために気をつけていることは?

「気をつけていることと言うか、つき合っている異性とかそういうのは関係なしに普段から感謝の気持ちだったり、『ごめんね・ありがとう』と、そういうのは忘れないように…。

あと、やっぱり気遣いがまったくなくなってはいけないと思っているので、そこは気をつけて、普段から、誰に対してもそういうふうに接するように心がけていたので…。それが、まあ、うまくいくというか、まだ結婚したばかりですけど、一緒に生活するようになって。けんかも滅多にないので。いろいろ話す時間を少し持って、普段の会話を大切にして過ごしています。」

Q.今後、こうしたいと思うことはありますか

「とにかくお互い焦ったらいいことはないと思っているので、焦らずゆっくりやっていこうというふうに私は思っています。で、私も今、薬を飲んでいる状態なので、例えば子どものこととかはやっぱりちょっとまだ…。今、薬がちょっと増えていたので不安があるので、今の段階では、私のほうではちょっと考えていなかったり…。

主人も、今は(就労継続支援)A型の事業所で働いているんですね。で、少しずつ時間を増やして仕事をしたいということで、今、仕事を探すというか、就職活動を行っているところなので、少し安定してから、また先のことは考えればいいかなと私は思っています。」

就労継続支援(A型)事業所:一般企業等での就労が困難な人に、働く場を提供するとともに、知識および能力の向上のために必要な訓練を行う事業所で、A型とB型があり、A型は雇用型(雇用契約を交わす)事業所のこと。

Q.障害をもつ人が生きやすくなるために必要なことは?

「まずは、やっぱり障害のことを、いろんな人に理解していただきたいという気持ちはすごくあります。統合失調症も、私もやっぱり、自分がこういう病気を発症するまで詳しくは分からなかったですし、最近“うつ”は話題になって、映画とかも出ていますけど、やっと少しずつ『こういうもんなんだ』というのが分かってきているところなので、やっぱりそういう学ぶ場を、例えば学校のうちから精神の病気とか、他の障害についても、そういう(学ぶ)機会をやっぱり設けて、親も学んでいけば生きやすくなると思うんですよね。なので、今、そのための活動もしていたりします。

そういうふうになれば、偏見というのが少しずつなくなっていくのではないかと思うので、偏見を少しずつなくしていって…。統合失調症などは100人に1人(の発症率)と言われていますので、学校に行けば1学年に1人はいる計算になるので、そういう部分をもっといろんな方に知っていただきたいなというのはすごく思っています。」

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