「私もよく仕事先の利用者さんとも話をするんですけど、やっぱりどうしても、焦ってしまうんですよね。その気持ちは私もあったので、すごく分からなくはないですし、年齢的なものもあったり、周りが例えば結婚していくとか子どもが生まれたとか、仕事をしているとか、そういうのがいろいろあると思うんですけど、でも、自分は自分だし。
あと、これは主人の言葉の受け売りですけど、普通社会人で生活を送っていたら、こういう自分の時間を持つということが、普通だったらできなかったはずなんですよね。でも病気をすることによって、ゆっくりゆったり自分なりにやっていく、少し好きなことに関心を持てたりとか、それに向けて行動したりとか、そういうことができる時間があるというのは、ある意味特別なんだなというような話をちょっと聞いていたので、あ、それはそうだなと思ったので、焦らず、ほんとにゆっくり…。
先生には『亀さんのように』と言われたんですが、そういうふうにやっていくと、いろんなことがすごく楽になったり、自分で、なにか思うように行かなかったことが、すんなり前に進んでいったりとかするので、焦らないのが何よりも一番かなというのを伝えられたりしたらいいなと思います。
あとは、私の中のテーマ、“ほどほど”というのがあるので、それも実行できると、精神的にすごく楽になります。」
「自分の家族に対しては、ほんとにもう感謝の気持ちでいっぱいです。やっぱり家族の理解があって、私、今、ここでこうやってインタビューを受けることができているので…。
最初は反対されていたんですよ。取材の話があっても、『ちょっと待って』と言われていたので…。でも、父が、震災後ですけれども、一緒に生活をしていた時に、『こういう話があるんだけど』ということを言ったら、『自分でいいと思うんだったらいいんじゃないか』と、その一言ですごく救われたんですね。なので、父にも母にも妹にも、そして今、一緒に生活をしている原田(夫)の母にもいろんな協力をしてもらって、私こうやって生活ができているので、ほんとに一言で言うと感謝ということですね。」
「私が最初にやったことで、家族に変わってもらおうという気持ちよりも、自分が変わることで周りが変わるというのがあると思う。だから、これをご覧になっている皆さんとかも、自分が今こういうことなんだ、こういう状態なんだということを、なるべく伝える練習をすると、周りも変わるのではないかな。で、家族も言える状況の時は、『やっぱりこう思うんだけどどうなの?』という会話が、とても大事なのかなと思います。
で、けっしてこの病気になるということは恥ずかしいことではない。それに対して、やっぱり親が恥ずかしいと思ってしまうと、子どももそうなんだとなりがちだと思うので、けっして恥ずかしくないんだということを、自信を持って思っていただけるといいんじゃないかなあと思います。」
「そうですね、難しいですね。今、3分診療とか、5分診療とか、いろいろ言われていますけど、こればっかりは…。でも、主治医との出会いというのは、相性とか縁とか、そういうものがあると思うので、難しいのですが。私は、すごく主治医に恵まれたなと思っているのですが、病院によってはやっぱり、ころころ先生が変わるところもあると聞くので、そのたびに調子を崩す方とかもいらっしゃるんですよね。なので、やっぱり主治医はなるべく、変わらないほうがいいのかなあなんて…。相性が合っている先生であれば、ですけど。
で、やっぱり、きちんと耳を傾けてほしい。そうしてもらえるだけで、気持ちがすごく救われるところがあるので。私の場合、主治医はそういうふうにしてくれるので、とても助かっています。」