「最初は、なんだか他人のことが気になって…。昔から気になっていたんですけど。父親からの教えもあったんですけど、人からどう評価されているかがすごく気になるということがずうっと学生の時からありました。大学からですね。大学生の時、アルバイトをやっていまして、アルバイトの中でも1番2番に選ばれるようなバイトでいたいなとか思ったりして、無理なこととか営業っぽいこととかもやったりしたんです。
どう評価されているかというのが気になってしょうがないんですが、『まあ、このぐらいかなあ(こんなものかな)』と思って、一般就労をずっとしていたんです。」
「(症状が)ひどくなって…。例えば上司の人にこう言われたのかなとかああ言われたのかなあとか、悪いほうに考えていくようになって。その時に、心臓が痛く、胸がすごく苦しくなるとか、頭がくらくらするとか、そういう症状になって、まさか精神疾患のことは当時分からなかったので、あらゆる内科の病院に行って検査をしてもらったんですけど、全部『異常なし。健康体です』という返事しかなくて…。『どこが悪いんだろうなあ』と思っていました。
でも、間違いなく胸が苦しくなったり頭がくらくらしたりというのがあったので、『何かなあ、何かなあ』と思っていたところ、たまたま小冊子みたいな精神疾患の本があって、それを見ていたら、『これ、もしかしたら自分のことかな』というふうに思ったんですね。それで、インターネットの走りの頃だったんですけど、インターネットで調べてみたら、まさしく自分のことだったんです。それで、今から15…、12〜13年ぐらい前に、当時仕事が営業で外を回っていたんですけど、その合間に、分からないようなところで初めて精神を診ている病院に行って診察を受けたんです。」
「なんか暗ぁい嫌ぁな感じでしたね。雰囲気もあんまり良い病院ではなかったんですね。
(治療は)薬ですね。当時“うつ病”と診断されたんです。で、“うつ”の薬を3、4種類出してもらって、あと、『夜、眠れない』と言ったら、眠剤を出してくれて、それからずっと薬とのおつきあいなんですけどね。ま、気休め程度で飲んでいるから…、ま、これ以上悪くならないだろうというふうには思っていたんです。
会社でも、少し負担がかからないようなところに回してくれたんですけど、それでもなんとなく会社に行くのが億劫(おっくう)だし、自分を高めていくようなものもなく、ただなんとなく(会社に)行っているような感じで、9時から5時、6時ぐらいまで、なんとなくいるような感じになっていました。(それが)1年ぐらい(続いたん)ですね。
次に、『薬が悪い』と思ったんです、飲んでいるのが。で、病院を近所の病院に変えたんですけど薬漬けにさせられたんですね。それで、もう覚醒状態みたいになって、“うつ”じゃなくて躁状態になってしまったんですね。7〜8種類ぐらいの重い薬ばかり出してもらいました。」
「仕事人間になってしまったんですね、今度、180度変わって。こうでなきゃいけないとか、ああでなきゃいけないとか、このままじゃダメだからとか言って、自分でどんどんどんどん変えて、会社に、『何でできないのか』と言ったり、上司の人に『何でできないんですか』と責めたりとかしたんですね。それは2〜3か月で終わりました。
そのあとは会社を辞めまして…。自分で辞めました、自己都合で。で、その前に薬を絶つことが先かなと思いまして、会社を、一応、1か月休ませてもらったんですけど、その時に薬を全部なくして、薬を飲まないで1か月いたんです。そしたら、余計悪くなって、会社も辞めることになって…。もう少し大きい病院に変えてみましょうということで、ちょっと大きい病院に変えてみたんです。」