統合失調症と向き合う

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鎌田 至さん
鎌田 至さん
(かまた いたる)
1971年(昭和46年)生まれの40歳(収録時)。大学生の時から他人の自分への評価がとても気になっていた。大学卒業後、就職する。以前から持つ症状に胸の苦しさなどが加わり、内科を受診するが異常なしの診断。20代後半、たまたま目にした冊子を読み、自分の症状と照らし合わせて精神科を受診する。その後、退職する。数回の入院を体験。何度か就職、退職を繰り返し、現在は、作業所の仕事として週5回勤務。会社の一般事務や老人デイサービスでのベッドメイキング、居室清掃に従事している。
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9精神障害と就労について
Q.障害者が働きやすい社会的なシステムとは?

「身体・知的・精神の3障害と言われるじゃないですか。精神がすごく遅れているんですよね。働こうと思っても、身体(障害)とかですとみんな採ってくれるんだけど、精神だと『怠けているんじゃないか』とかいって採ってくれなかったりすることがよくあるので、そこらへん、もう少し考えてもらいたいなあというのはあります。

私、今の作業は気に入って、自分でずっと事務をやっているんですけど、この事務もたまたまスタッフさんから、『大変だからちょっと手伝ってくれない?』とか言われて、ここに来るようになったんですけど、それまで自分は事務の仕事というのは全然合わないと思ったんですね。ところがやってみたらもう楽しくて。ずっと営業の仕事ばっかりやっていたので、営業しかできないものとずっと決めていたんですけど、ここでお世話になるようになって、総務とか経理とかの仕事をちょっとやらせてもらって、そういうほうが自分に合うのかなあとか思うようになってきたんです。

もう少し、なんかそういう制度で、間口を広げてくださればいいなとか思うんですけど、今だとちょっとね、精神はあんまり充実していないですよね。なんにもできないですね。」

Q.症状が回復してきたかなと思えたのはいつ頃ですか

「やっぱり今の作業所に通うようになって、その七夕作りを1個作ったのがすごい自信になって、そのまま去年なんですけど、また職業訓練に行ってホームヘルパー2級の資格を取ったんです。それで自信がついて、今の老人のデイサービスのほうでベッドメイキングとかもちゃんとできるようになって、それからどんどん良い方向にいっています。」

Q.今後の展望はありますか

「今の仕事がいいなあとか思っているので、こういう仕事で慎ましく生活できれば…。まあ、もう歳も歳なのでそんなに期待することもできないので、誰にも迷惑をかけないで、自分の好きなように生きていきたいというか、やっていきたいなとは思っています。」

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