統合失調症と向き合う

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鎌田 至さん
鎌田 至さん
(かまた いたる)
1971年(昭和46年)生まれの40歳(収録時)。大学生の時から他人の自分への評価がとても気になっていた。大学卒業後、就職する。以前から持つ症状に胸の苦しさなどが加わり、内科を受診するが異常なしの診断。20代後半、たまたま目にした冊子を読み、自分の症状と照らし合わせて精神科を受診する。その後、退職する。数回の入院を体験。何度か就職、退職を繰り返し、現在は、作業所の仕事として週5回勤務。会社の一般事務や老人デイサービスでのベッドメイキング、居室清掃に従事している。
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11メッセージ
Q.統合失調症の方へのメッセージをお願いします

「良くも悪くも、今、インターネットの時代じゃないですか。10年ぐらい前だったらこういうことは考えられなかったんでしょうけど、今これだけ身近なものになっているので、やっぱり自分なりに勉強できると思うんですね。知識を得ることが、良くも悪くもできるので、そういうところで自分は、気づいてもらったらいいかなあとか思ったりしますね。

(本屋で)本とか買うのためらってしまいますよね、どうしても。『この店員にこう思われちゃいけない』とか、『この人病気じゃないかしら』とか思われるのが嫌で、その本買えないんですよね。インターネットは、自分で探して、薬の名前とか副作用とか全部調べることができるので、ま、身近ですしね。携帯電話からも今はアクセスできますから、それで知識の量を高めていったら、まあ遠回りしなくても…。

まあ、良くも悪くも薬なんでしょうね。薬で良くなるし悪くもなるし。私よりひどい人は、やっぱり薬を考えてみたらというふうにアドバイスはしたいですね。」

Q.自分の家族へのメッセージをお願いします

「いや、もう孫はちょっと期待しないでくれと、それだけですね。うちの両親とかには、そうですね。ちょっともう結婚とかはできないというか、ま、やればできるんでしょうけど、子どもの顔とか孫の顔とかは、ちょっと期待はさせられないなと思います。」

Q.当事者に対して家族はどう接すればいいですか

「普通に。ま、ちょっと家で遊んでいるみたいな感じでもいいんじゃないでしょうかね。で、やっぱり作業療法とか作業所とかは、一番いい薬だと思います。作業所とかに行けるようになったら、だいぶいいんじゃないでしょうかね。

(作業所などに)行けるまでがすごくみなさんいろいろ…。私は、バンドの友達がいて今の自分があるんですけど、そういう出会いみたいなものも、やっぱり必要じゃないかなと思います。」

Q.病院で社会資源に関する情報はないですか

「田舎の病院なので、まったくないんですよ、そういうのは。で、役所に行っても、忙しくて何も話ができないので、やっぱり自分でインターネットで調べるしか道が、私の場合はなかったんですよ。」

Q.医療関係者へのメッセージをお願いします

「病院に入院した時に、『これしちゃだめだよ、あれしちゃだめだよ』と言われるのが、一番私、苦しかったですね。(例えば)携帯電話を持ってくるなとか言うんですね。でも、今は持っていない人のほうが少ないんじゃないですかね、こういう時代になって。今入院したらどうか分からないんですけど、ま、当時はそういうものを持ってきて、手を煩わせるというのかなんていうのか、そういうのを面倒くさがっていた人がいたので…。」

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