「16歳の時に、初めは幻聴が出まして、友達に裏切られたという言葉から始まり……、それはまあ他の人に対しての言葉だったのですが、それから勘違い的な感じになって。あとはもう全部幻聴で、人からの、友達からの悪口だったり被害妄想とか、そういうことが始まりました。
実際は私に対しての言葉ではなかったのですが、たぶん人間関係も不安定というか。高校2年の時だったので、何て言うのですかね、勉強がちょっと急に難しくなったように感じたり……。そういうことが、ストレスになっていたのでしょうけど。それでたぶんどんどん勘違いというか、被害妄想みたいな感じになってきたのだと思います。
(不眠も)ありました。眠れないというのが。寝ている時に、目をつぶれば声が聞こえて、それで不安になるという感じでした。たぶん寝ている時もあるのですけど、なんて言うのですかね、常に聞こえている感じなので、ちゃんとぐっすりした(眠った)という感じがない睡眠時間ですね。」
「主な発症が(16歳の)7月だと思うのですけど、夏休みになって8月ぐらいに受診しました。姉に異変に気づいてもらって、それで母と一緒に総合病院のほうに受診しました。母も姉も何科がいいのかが分からず、まだ精神病という言葉を聞いたことがあまりなくて、取りあえず総合病院に行って、何科に行ったらいいかという相談をしようということで、そこにかかりました。
(回されたのは)精神神経科です。『私には聞こえるんですよ』と(医師が)言われることを(私は)聞いてですね、ちょっとほっとしたのを憶えています。初めは『心因反応ですね』と言われたのですけど。薬物療法で取りあえず今は治るみたいな……、まあちょっと治療していきましょうと言われまして、『まだ、入院するほどではありません』と言われました。(薬を)出されました。」
「引きこもりは、そんなに長い期間はなかったですけど、ちょっと発病当時は怖くて出られないということがありました。
発病後、休学していまして。それで3年まで一応籍は置いていたのですよ、高校に。でも、単位が取れなくて卒業できず、次にすぐ通信制の高校に編入しまして、1年間行って、卒業しました。
(その後は)保健所のデイケアに行ったり、のんびりと家で過ごしているということが多かったです。(外で働いた経験は)1度、2週間か3週間ぐらいはあるのですけど、すぐダウンして、辞めました。」