統合失調症と向き合う

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田中早紀さん
田中早紀さん
(たなか さき)
1985年(昭和60年)生まれの33歳(収録時)。16歳で体調を崩し受診し、17歳の時に統合失調症と診断される。現在はB型事業所に通所していて、将来的には当事者活動を行いたいと思っている。同じ病の夫と双子の男児との4人暮らし。
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2精神科受診の経緯
Q.何歳の時にどのような症状が出たのでしょうか

「16歳の時に、初めは幻聴が出まして、友達に裏切られたという言葉から始まり……、それはまあ他の人に対しての言葉だったのですが、それから勘違い的な感じになって。あとはもう全部幻聴で、人からの、友達からの悪口だったり被害妄想とか、そういうことが始まりました。

実際は私に対しての言葉ではなかったのですが、たぶん人間関係も不安定というか。高校2年の時だったので、何て言うのですかね、勉強がちょっと急に難しくなったように感じたり……。そういうことが、ストレスになっていたのでしょうけど。それでたぶんどんどん勘違いというか、被害妄想みたいな感じになってきたのだと思います。

(不眠も)ありました。眠れないというのが。寝ている時に、目をつぶれば声が聞こえて、それで不安になるという感じでした。たぶん寝ている時もあるのですけど、なんて言うのですかね、常に聞こえている感じなので、ちゃんとぐっすりした(眠った)という感じがない睡眠時間ですね。」

Q.受診したのはいつ頃で、その経緯は?

「主な発症が(16歳の)7月だと思うのですけど、夏休みになって8月ぐらいに受診しました。姉に異変に気づいてもらって、それで母と一緒に総合病院のほうに受診しました。母も姉も何科がいいのかが分からず、まだ精神病という言葉を聞いたことがあまりなくて、取りあえず総合病院に行って、何科に行ったらいいかという相談をしようということで、そこにかかりました。

(回されたのは)精神神経科です。『私には聞こえるんですよ』と(医師が)言われることを(私は)聞いてですね、ちょっとほっとしたのを憶えています。初めは『心因反応ですね』と言われたのですけど。薬物療法で取りあえず今は治るみたいな……、まあちょっと治療していきましょうと言われまして、『まだ、入院するほどではありません』と言われました。(薬を)出されました。」

Q.引きこもりの経験は?

「引きこもりは、そんなに長い期間はなかったですけど、ちょっと発病当時は怖くて出られないということがありました。

発病後、休学していまして。それで3年まで一応籍は置いていたのですよ、高校に。でも、単位が取れなくて卒業できず、次にすぐ通信制の高校に編入しまして、1年間行って、卒業しました。

(その後は)保健所のデイケアに行ったり、のんびりと家で過ごしているということが多かったです。(外で働いた経験は)1度、2週間か3週間ぐらいはあるのですけど、すぐダウンして、辞めました。」

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