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大腸がんのステージとは

大腸がんの治療は、まずその患者さんのがんの状態で変わります。そこでまず大腸がんの広がり具合と進行度(ステージ)を調べて、それから治療方針を決めていきます。

図1
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大腸の壁はいちばん内側から粘膜粘膜下層固有筋層漿膜下層漿膜と5つの層から成っています(右図)。大腸がんは、いちばん内側の層である粘膜の細胞にがんができて、それが段々大きくなっていくものです。最初の小さいうちは粘膜に留まっていますが、大きくなるにつれて粘膜下層、固有筋層と中のほうに深く入っていきます。これを浸潤(しんじゅん)と言います。粘膜下層にはリンパ管や血管が豊富にあるので、がんが粘膜から粘膜下層に浸潤すると、リンパ管や血管にがん細胞が入り、リンパ節や肝臓・肺に転移するようになります。

ステージを決める要素

大腸がんのステージは、がんが腸の壁のどこまで深く入っているか、またリンパ節転移があるかどうか、そして肝臓や肺などの他の臓器に転移しているかどうか、で決まります。

ステージは0〜4までの5つに分けられています(右図)。
図2
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  • ステージ0  がんが粘膜に留まっているもの。転移することはない。
  • ステージ1  粘膜下層ないしは固有筋層にまでがんが浸潤したもの。かつ、リンパ節転移のないもの。
  • ステージ2  がんが固有筋層を超えて浸潤しているが、リンパ節転移はないもの。
  • ステージ3  がんの浸潤の深さにかかわらず、リンパ節転移があるもの。
  • ステージ4  肝臓や肺などの他の臓器に転移したもの、または腹膜播種といってお腹全体にがんが散らばったもののように進んだ状態をさす。
早期がんというのは、粘膜または粘膜下層までに浸潤がとどまっているものです。ステージで言うと、ステージ0とステージ1のうちの浸潤の浅いものまでを早期がんと言います。進行がんというのは、固有筋層にまで浸潤したもの、あるいはさらに深くまで浸潤したものを言います。
Q.なぜステージの診断が必要なのですか?

その患者さんのがんの広がりに応じた適切な治療法を決めるために必要です。過大な侵襲、つまり患者さんに余計な負担をかけたり、また小さな手術をしてがんを取り残したりしないようにするためです。

Q.がんは突然できるのでしょうか?

突然がんができるわけではありません。いくつかの細胞ががんになってそれから徐々に大きくなっていきますので、(目に見えるようになるまでには)おそらく数年かかっているのではないかと言われています。

Q.自覚症状はいつ頃からあるものでしょうか?

大腸がんの自覚症状というのは通常、お腹が痛いとか出血しているとかそういう症状ですが、ステージが2以上にならないとなかなか自覚症状は出ないと思います。まれに出血で気づく場合もありますが、ステージ1の場合、大きさがだいたい2〜3cm弱だと思いますので、この段階ではほとんど症状はないと思います。

たいていは早い段階のがんはほとんど症状がなく、検診で見つかる場合がほとんどです。便の中に血が混じっているかどうかを調べて、便の中に血が混じっている=便潜血が陽性であれば、精密検査をして、そしてがんが見つかるという順番になります。最近では、多くの方は症状がない方です。

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