がんと向き合う

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●大腸がんの標準的治療
手術後の病理検査

図9-1
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内視鏡治療の場合と同じように、大腸がんで手術を行った場合でも、切り取ったものは必ず顕微鏡検査(病理検査)を行います。そしてがんがどの程度の深さであったか、リンパ節に転移があったかどうかを調べ、最終的にその患者さんのステージを決めます(右図)。

手術前と手術後の診断が違うことはかなりあります。あくまでも病理検査によって判断されたステージが、より正確なステージです。通常、病理検査の結果を見て、抗がん剤治療を追加するのか、必要ないのかが決まります。

リンパ節の中にがん細胞があるかどうかは、手術前にはなかなか判断できません。切り取ったリンパ節を顕微鏡で見て、がん細胞があるかどうかを調べます。リンパ節に転移があるかどうかによって、手術後に再発する確率が違ってきます。病理検査の結果、再発する可能性が高いのか低いのかによって、追加の抗がん剤治療(術後補助化学療法)をするかしないかを決めます。

術後補助化学療法

手術でがんをきれいに取りきったとしても、だいたい20〜30%の人に再発が起こります。ですから再発する可能性の高い人に対しては、抗がん剤をある一定期間投与することによって再発を抑えようと試みます。それを「術後補助化学療法」と言います。

Q.ステージ3では、術後補助化学療法を受けたほうがよいでしょうか?

ガイドラインでは、ステージ3の患者さんは術後補助化学療法をしたほうがよいだろうと記載しています。これは、欧米の臨床試験で、ステージ3の場合は補助化学療法をしたほうが治る率が高かったという報告があるためです。ただし、ステージ2に対して補助療法が本当に効果があるかどうかに関しては、まだ世界的にも一定の見解がなく、現在日本ではステージ2に対する術後補助化学療法の効果を検討する臨床試験が行われています。

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