4緩和ケアの先生との出会い
「僕の場合は、気分的な問題なのかよくわからないのだけど、入院して抗がん剤を入れると痛みが出るのです。それで(先生は)『何か変だね』『人にはあまりないことだね』ということで、くすりを処方していたわけです。だけど結局あまりにも痛みがとれないものだから、看護師に普通の話の中で『痛みがとれないんだよね』とこぼしていたら、緩和的な発想をもった先生を紹介してくれて。その先生が来て私と痛みのコントロールの話を専門的にするようになって、痛みがこう治まってきているということです。
僕の主治医が意外とリベラルな人でしてね。私があまりにも痛い、痛い、痛い、痛い、痛いと言うから、それで根を上げたのか『緩和的な発想が必要であれば、どうぞ末沢さんやってください』という人だったのね。だからある意味じゃこだわりがなかった、とも言えますよ。だから緩和(ケア)をやることに対して、あまり抵抗感がなかったということでしょうかね。ただその人の下にいた先生は一生懸命だけど痛みがとれない。その先生も誰かに助けを求めればいいと僕は思いますわね、いま考えればね。だけどあまりにも一生懸命やりすぎるがために、やはり人に聞くということにならなかったみたいだね。その分、僕は悲劇だったよね、数ヵ月。3ヵ月ぐらい痛い思いをしちゃったわけです。その先生が緩和的な痛みのコントロールについて(ほかの)先生に聞いてくれたら、ひょっとしたら僕は3ヵ月少なく、痛みを感じないで済んだかもしれないということは言えると思うのです。だけどその先生を責めるというわけではなくて、一生懸命やりすぎるのも功罪があるねと、いう感じですかね。」