「僕と同じような状況になってきて、（医療用）麻薬でコントロールをすることが必要だという場合には、やはり簡単な説明書みたいなものを先生が作って、頭で理解させて（ほしい）。（そういう方には）『くすりの量、飲んだほうがいいですよ』と積極的に言ってあげたいですよね。何も私が抵抗したようにドン・キホーテ的な闘いをやる意味はないわけですから。僕みたいな人には、『積極的に痛みをとることと、（がんの）悪化とはリンケージ（関連）していないのですよ』ということをどう説明してあげるか、ということだと思うのです。お任せ医療の人に対してはそんなこと言わなくても、『Aさんね、これは痛みがとれるから飲んでね』と言えば、スーッと飲んじゃうじゃないですか、タイプが違えば。私みたいな結構しつこいタイプの人にはやはり説明も丁寧にしてね。そういう人には積極的にくすりを飲むということを薦めたいし、やはり先生のほうもくすり（医療用麻薬）を使うことに対して、もっと積極的に患者にアプローチすることも必要でしょうね。

結局、声を出さなくなると『こんなこと言ったって同じだものね』となって、やはり辛い思いをするのは患者のほうに返ってくるわけだから。やはりそれはどんどん声を発して、『痛いよ、痛いよ』と言っていく必要があるでしょうね。同じような人がいれば、僕のほうからそれは積極的に薦めたいとは思いますよね。だけど、僕の場合が（痛みの訴えを受けとめてくれたのが）看護師だったように、いろんなルートがあると思うのです。言いやすいルートから、とはいうもののそこには受けとめる人、最終決定者の積極性、保守性とか実際はあると思うのですが。あると思っているのは僕だけかもしれないけど。」