「2000年3月末に、たまたま胃の調子が悪くて病院に行きました。先生がたまたま消化器系の先生で、胃はきれいだったのですが『大腸の検査をしてみませんか』と声をかけていただき、大腸を調べてみると、S字結腸のところに大腸がんが偶然見つかったという形です。そのすぐ2週間後に手術をいたしました。(病期は)3期のAと言われて、リンパ節にも2ヵ所転移しておりました。」
「腸のほうには特に不快感というのはあまり感じなかったのですが、あとで思い起こせば、いままで感じたことのないような倦怠感というのはありました。胃のおかしさというのが、いままで感じたことのないようなおかしさで、漬け物石ってありますね、それを胃の上にドーンって乗せられたような感じだったのです。先生にお話ししたら『胃カメラを飲みましょう』ということで。腸のほうは、たとえば座っていて少し違和感があったのかもしれませんが、本当に大きなものはあまり感じていなかったですね。だからいま考えると、その腸のおかしさが胃に何か信号を出していたのかなというような気がいたします。
(あのとき)いろいろな偶然が重なって大腸の検査をしたのです。私、お勤めをしていまして、お休みが3日しかなくてその3日全部をその検査に使ってしまったのですが、本当は最後の日はお友達と出かける予定にしていたのですね。『大腸検査はしたくないな』というのもあって迷ったりしていたこともあって。でもいろいろな偶然が重なってそこで大腸検査をしたのです。もしそのとき、大腸検査をしていなかったら、たぶん会社の検診が半年後ぐらいにありましたので、そこになると自分の人生はもっと違うものになっていたと思うと、何か胃がそういう信号を出してくれていたことと、先生が『大腸を』と言われたことに、偶然にしても、とてもありがたさを感じています。」