「話をすることはすごく大切だと思います。いろいろな人に話すことによって、気持ちが楽になることもありますので。

自分はmixiの『癌でもいいじゃん♪』というコミュニティ・サイトでいろいろな情報交換をしています。さらにYahoo!のほうでも『癌でもいいじゃん♪』というタイトルをつけて、そこで部屋を作って、いろいろながん関係の人が集まってそこで話をするというのを始めて、365日休まずにそれを続けています。常連さんもかなり増えてきて、話はいろいろしています。医療に詳しい人もかなりいますので、不安になるとそこで聞いたりはしています。」

「ステージ（病期）で言われてしまうと結構ショックな人は多いのですよね。ステージ4と言われてしまうと、自分もそうですけど、ステージ4イコールもう駄目なんじゃないか、緩和医療に行かなきゃいけないんじゃないかというような絶望感があります。そういう人たちもやはり誰かに聞いてもらいたいというのがあるのです。たまたまうちの部屋（チャットルーム）を見つけて入ってきて、話をしたり、それで気持ちが楽になったという人もいます。ステージ4と言われてもイコール死でもないし、現に自分がステージ4で手術もして、再発もしてそれでも元気でやっているというようなところを、その人たちに見せてあげることによって、こういう人もいるのだなと知っていただいて、希望をもってもらえればいいかなと思っています。

励ましている部分もありますが、自分で自分を励ましているという感じですね。やはり自分でその人たちに対して『こうだよ大丈夫だよ、心配しなくていいよ』と言っているのは、裏を返せば自分にも言っているのです。

自分ががんだということを隠している人はかなり多く、会社では言えない、自分の家族にも言えないという人もいます。そういう人はそれでも誰かに言いたい、自分の状況をわかってもらいたいという気持ちがあるのです。それを言いやすいところ、言える場所がこのチャットというところなのだと思います。

がんになっていない人、家族にがんの人がいないという人も来ています。その人たちには“検診は必要”だということ、“検査で早期に見つかれば手術もすぐにできるし再発のリスクも低い”ということも伝えたりしています。」

「リレー･フォー･ライフというのはただグランドを歩くだけなのですが、それがすごく共感をもち、知らない人でもがんと闘っているという共通の意識があるので、そこで友達になったり話をしたりして、仲間がどんどん広がっていく感じです。

そこにはがん患者やその家族しかいませんので、外で言えない人がおおっぴらに“自分はがんですよ”と言える場所なのですよね。ただ自分たちとしては、その場だけではなく社会のなかでも“自分はがんなんだ”ということが言えるような社会にしたいという気持ちはあります。やはり、がんというのは人より孤独な闘いになりますので、そういうなかでもイベントに参加することによって、“たいへんな思いをしているのは自分だけではない、1人じゃないんだ”ということがわかります。」