がんと向き合う

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河原 みさえさん
(かわはら・みさえ)
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東京都在住。2003年末、還暦を機に受けた簡易血液検査がきっかけで直腸がんがみつかり、翌年5月に直腸切除術を受ける。術後1〜2年間は排便にひどく悩まされるが、食事と排便のバランスを少しずつ体得し、次第に元気を取り戻す。現在、再発・転移はなく5年が経過。「ジャパン・ウェルネス」で出会った同じ病気の仲間や、綾小路きみまろの笑いに精神的に救われる。
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1自覚症状

「(がんがみつかる2年ほど前に)お寿司を食べに行って、お酒も飲んで、その帰りに吐き気と下痢が一緒に襲ってきました。家に帰ってきて吐いて、お腹も転げ回るぐらい痛かった。何かお寿司で当たったのかしらと思いましたが、翌日はもうけろっとしていました。今思えば、そういう症状が2、3回ありました。」

●血液検査で“異常あり”

「平成15年の12月ごろ、針を刺して血液を出して郵送するという、商工会議所のちょっとした血液検査を主人と2人で受けました。数年に1回ぐらいしていて、はじめてではなかったのですが。そのとき主人は『異状なし』で、私は『異状あり』でした。

本当に病気ひとつしたことないし、風邪もひいたことないし、舅、姑がいて結構厳しかったので、子供3人産んでいるときも1日も寝たことないし、具合が悪くて寝たということは本当に一度もなかったです。そのくらい健康には自信がありました。

3月、急遽がん保険に入るときも、『何か病気の経過はありますか』という記入欄に“なし、なし、なし”と書いたぐらいです。でも『今、ちょっと血液検査をしていますよ』と保険屋さんに言うと、『別になんでもないんでしょ、だったらそんなの書かなくてもいいですよ。なし、なしでも』と言われて、それで3月に簡単にがん保険に入りました。

すると入ったと同時ぐらいに知り合いの先生が(胃カメラ、大腸内視鏡検査で)調べて、『とても悪い病気だから、病院を紹介するからすぐに行ってください』と言われたのが、4月でした。

4月に(紹介先の大学病院に)はじめて行ったときには、先生は何も言わずにただ『あ、直腸がんですね』と言いました。『これは急いだほうがいいから、5月20日ぐらいに入院してください』ということで、私は何の症状もないし、がんの知識もなく、ただただ病院に行って、手術をしましょうということになったのです。」