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大野正子 さん
(おおの・まさこ)
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東京都在住。家族は夫。子ども3人はすでに独立。2007年8月、60歳検診がきっかけで大腸がんが見つかる。糖尿病のかかりつけ医に専門医を紹介してもらい、約1ヵ月後にS状結腸がん(ステージ4)を切除。退院後、肝動注、抗がん剤治療を受け、肝転移を2度切除。外来通院と服薬を続けながら2010年2月には仕事(ホテルのベッドメイク)を再開。電車に乗るのも楽しい毎日を送っている。
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4主治医とのコミュニケーション

「私、副作用が本当になくて、先生がびっくりしているの。本当にないの、副作用。だからやせないのです。普通は多分そういうのでやせてしまうのですよね。副作用がでたり、嘔吐があったり、下痢があったりと、食べ物をうまく受け入れられないで、毎日食べるカロリー以下になって、皆結構やせたりしますが、それがなくてよく食べているからありがたいです。

先生に『本当に珍しいね』と言われて。だから先生と病室で話していても、結構楽しい話をして帰ってきちゃう感じで、あんまり深刻さがないです。『お薬どう?』とか『どんな感じ?』と聞かれて、『大丈夫です。(薬は)飲んでいますし、点滴のあとも全然大丈夫ですよ』という会話です。『大丈夫?疲れないの?』とか、いろんな話を聞いても、(私が)いつも元気なので、先生が何かびっくりしている感じ。それがずーっと元気なのです。今もまた違う抗がん剤治療をしているのですが、腫瘍マーカーが急激に下がって、『何でしょうね』といつもびっくりなのですよ。性格が明るいからかな。」

●副作用対策

「冬になってから気がついたのですけど、抗がん剤の点滴をして病院から帰ってくると、手足のしびれが少し出て、あと冷たいものを飲むと喉とかがぴりぴりします。外気の寒いところに行くともう顔も全部ぴりぴりしちゃうのですよね。それも副作用です。それが少し寒くなってきてから、10月ぐらいから出ているかな。暖かいときは全然なかったのですけどね。

先生にお話したら、それが副作用で『きたね』という感じです。でもそのぐらいは、私にしたらなんてことはないので、ちょっと寒かったら手袋をしたりとか、大き目のマフラーを巻いたりして防いでいます。副作用はそのぐらいですね。

(点滴から)1週間ぐらい経つと(副作用も減り)大丈夫です。点滴前の1週間ぐらいは絶好調です。多分暖かくなれば大丈夫だと思うのだけど、点滴すると1週間ぐらいはぴりぴりします。そのぐらいの副作用はもう仕様がないでしょう。

そう言えば、これ(抗がん剤)をしてから粘膜や皮膚が弱くなって、皮が剥けたり、(指先が)黒ずんだり爪が取れちゃったり、そういう副作用が出ました。それと粘膜が弱くなっているので鼻血が出たりします。別に大量に鼻が出るわけではないけれど、鼻をかむと血が出てきます。『強くかまないでね』と言われますが、やはりそれも『副作用です』と先生が言っていました。」

●薬を飲むのは平気

「(服薬は)朝晩です。でも全然、苦にならないの。私の薬はすごく大きい薬なのです。粒がこのぐらいあるのです。それを5錠飲んで、そのほかに粘膜が弱いのでビタミンB系のお薬が朝昼晩に1粒ずつ、それだけです。

入院していたときに、隣のベッドの方が同じ病気でやはり同じ薬を飲んでいたのですけど、この薬が大きいので、1粒飲むのがもう『たいへんだ、たいへんだ』と言って飲んでいました。私は5錠いっぺんに『ぴっ』と飲めちゃうので、『え、何、そんなにすぐ飲めちゃうの?』と驚かれました。

CT検査をすると、いろいろ飲むでしょう。あれも皆『すっごくつらい』『これを飲むぐらいならやりたくない』『もうイヤだ、イヤだ』という人がたくさんいるけれど、全然、平気なの。そういうのも苦にならないから、『よくこういうの平気で飲めますね』と言われるけれど、全然平気で飲んじゃう。」

●“病院がイヤ”というのはない

「そういうのもあるかもね。病院の治療そのものは、『すごくもうイヤ!』というのがあまりなく、そういうのは全然平気です。病院を嫌がらないところが、あるかもしれない。

病院に行くのも全然イヤでもないし、先生と会うのも『楽しみだな』と思って、いつも『今日は何の話をしようかな』と前の日に考えておくの。先生に会ったら『この話とこの話をしよう』と考えておいて、『おはようございまーす』と診察室に入って行くと先生が、『今日はどうだったのー』とか、『1週間、2週間、3週間、どうやって過ごしたのー』と話をして、あまり病気の話も中でしゃべっていなくて、それで帰ってくることが多いのですよ。何か楽しく話して帰ってくる。それで『こうこうこうだから、じゃ今度こういう薬とこういう薬を出しておきますよ』と言って、あまり病気の話とかはしていないのですよね。普段の日常のいろんな出来事とか、そんな話をして帰ってくるという感じです。

副作用があまりないでしょ。だから先生も『副作用、何にも出てないの、大丈夫?』と聞いて私が『こういうのがあったけど、先生、大丈夫ですよ』と言って『あ、そう。よかったねー』と言うと、もう全然違う話になります。診察室に行っても楽しくお話して帰って来る感じなので、『病院行くのがやだ』というのもないのです。」