がんと向き合う

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池嶋貫二 さん
(いけしま・かんじ)
公益社団法人日本オストミー協会
20/40 FOCUS GROUP
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2003年(38歳)に直腸がん(ステージ3)と診断され、直腸切断術を受け、人工肛門を造設。術後は抗がん剤(UFT+ユーゼル)を2年間服用。退院後、システムエンジニアから障害者雇用コンサルタントにキャリアチェンジ。東日本大震災では20/40 FOCUS GROUPのブログツイッターを駆使して、被災したオストメイトのためのストーマの受け取り場所などの緊急情報を随時発信。
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2直腸がんの手術

「手術は朝10時頃から始まって、夜7時〜8時ぐらいに集中治療室に戻ったというのはあとで聞きました。うっすらと意識が戻ってはっきりしたのは明け方で、次の日には『もう病室に戻ってください』ということでした。」

●はじめて見た人工肛門

「実際に(自分の人工肛門を)見たのは、手術後、2週間ぐらい経ってからだと思います。それまでメンテナンスとケアはすべて看護師さんにお願いしていたので、実際に私は寝たままで見ていないという状態でした。

はじめて見たときには『どうなるかな・・・』と思いましたが、まぁすんなりと受け入れて、その点ではうまくいっていたのかなと思います。

退院して普通の生活に戻ったときに、『何が起きるのか・・・』というのがわからないまま人工肛門のケアをしていて、ちょっと触れるだけでも出血するので、大丈夫なのかと心配でした。だから極力(人工肛門を)触らないように、怒らせないようにというかたちでした。」

●運動不足による腸閉塞

「実は、術後2週目ぐらいまで熱があり、ようやく食事が摂れるようになった段階で、腸閉塞を起こしてしまい、入院がさらに1ヵ月延びて実質2ヵ月入院していました。

結局、癒着ですよね。お腹を開けていますから、腸が癒着してしまい、管が細くなって詰まってしまうと。出るものもガスもそこで止まってしまって、痛みが周期的にぐぐーっと襲ってくるのです。

入院中によく言われていたのが、『毎日運動してください』『よく歩いてください』『腸を動かしてください』『そうしないと癒着して、腸閉塞を起こしますよ』ということでしたが、私のほうが痛みにかこつけてあまり動かなかったので、その結果、癒着して腸閉塞を起こしてしまったということなのです。

ですから腸閉塞が治まってからは、1ヵ月間は病院の中をウロウロウロウロ、毎日4〜5キロは歩いていました。」