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池嶋貫二 さん
(いけしま・かんじ)
公益社団法人日本オストミー協会
20/40 FOCUS GROUP
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2003年(38歳)に直腸がん(ステージ3)と診断され、直腸切断術を受け、人工肛門を造設。術後は抗がん剤(UFT+ユーゼル)を2年間服用。退院後、システムエンジニアから障害者雇用コンサルタントにキャリアチェンジ。東日本大震災では20/40 FOCUS GROUPのブログツイッターを駆使して、被災したオストメイトのためのストーマの受け取り場所などの緊急情報を随時発信。
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4抗がん剤の副作用

「化学療法ということで、抗がん剤は2年間ほど飲んでいました。

抗がん剤の影響かと思うのですが、湿疹がすごく出ました。上半身は湿疹の上に湿疹が出て、プチュプチュというのがいっぱい体中に出てしまいました。そのときは、ストーマのところまで湿疹が出てしまったものですから、なかなか装具の貼り替えもできないし、痛いしかゆいしで、そのときはやはりたいへんでした。面倒くさいな・・というのはありましたね。

湿疹は退院後に出てきて、1ヵ月ぐらい悩まされていました。自然と消えましたけどね。何だったのか私もよくわからないのですが、特段、薬もなかったのです。反応したのでしょうか。今となってはわかりません。」

●ストーマのトラブル

「幸い私の場合は、それほど皮膚トラブルとか、ストーマ自身に何か支障があるわけではなかったので、普通に過ごせてはいます。ただヘルニアを起こすのですね。私も今お腹が出ていてヘルニア状態になっています。こういう状況だと、装具がきちんと皮膚につかなくなってくるので、隙間ができて漏れたりすることがあり、そこがいちばん気になるところです。実際、電車で移動中に漏れたことがあります。

近くの洋品店に行って下着と服を全部買って、駅のトイレに駆け込んで、装具と汚れてしまった下着を新しいものに交換して、何食わぬ顔して営業に行くということもありました。」

●食事で気をつけていること

「やはり食べ物が少し変わってきましたね。食物繊維が多いものや、野菜や根菜類は腸が詰まりやすくなると聞いていて、最初は半信半疑だったのですけど、実際に詰まってしまいました。ですから、消化の悪いものは極力避けるようにしたり、小さく切ってもらったり、食べ物に対してそういうところが変わってきました。」

●直腸切除による後遺症

「今回、直腸がんになって直腸を切除して、今は肛門もなく、人工肛門という形になりました。ただ、それだけで済んでいるわけではなく、やはり神経のほうも半分ぐらい取っているので、排尿機能や生殖機能という部分が落ちているのです。ですので、ただ単にひとつがんができたというのではなくて、そこからいろんなことが始まってしまった、どんなものにも影響しているなと思います。がんそのものも怖いけれど、そこから始まるすべてのことも怖いなと感じました。

気にしていても仕方がないので、『ま、いいか』と結構お気楽に考えてはいますけど。でもそれはそれでちゃんと受け止めて生きていかなければいけないので、そこはもう覚悟しなければというのはありますね。」

●肛門を残す手術の進歩

「私の場合、(腫瘍が肛門から)3cmのところにありました。今だったら状況によっては、括約筋温存術で済むかもしれない。手術の仕方や考え方も変わってきているみたいで、(日本オストミー協会で講演されたある医師の話では)大学病院で手術をした場合、腫瘍の状況やレベルによっても違うのですが、『9割以上は(肛門を)温存しますよ』と言われたので、当時私たちが聞いていたことより技術が進んできているのかなとは思います。」