「病気になる前は、生活のリズムと食生活があまりよくなくて、相当乱れていたので、それもがんになる原因のひとつになっていたのかなと思います。
システム開発の仕事というのは、寝る時間も惜しんで仕事をするので、夜食もあれば朝食もあるし、普通では食べない時間帯にご飯を食べたり、結局寝る時間もなかったりすることが多く、確実に体のリズムはがたがたになっていました。」
「28歳のとき、まだ東京のほうで仕事をしていたときに、実は1回入院しています。そのときに『潰瘍性大腸炎』と言われました。下血したので診てもらったら、ポリープができていて焼き切ったのです。そのときは(発見が)早かったのでしょうね。それで済んでしまいました。結局そういう過去に起きた経緯も今ならわかるのですが、がんになった当時は忘れていました。そういうことを思い出しておけたら、もう少し何か手を打てたのかもしれません。」
「(直腸がんの)手術の場所よりもう少し奥だったのです。『ありましたよ、一箇所何かできています。多分これが触れて、出血しているのだろうね』という診断でした。さかのぼっていくと何かしらどこかに引っかかるものが、あるのですよね。それをちゃんと意識しておけば、次のときの対処にはなったかもしれませんね。」
「最初にお話ししたように、予兆ですよね。まさかそういう予兆があるとは思わなかったので。でも多分何かあるのですよね、虫の知らせではないけれど、何かいつもと違うことが体の中に起きていて、『何かおかしい』と。そのときはやはり診てもらったほうがいいですねということです。私もお腹の虫が鳴っていて『おかしいな、おかしいな』と思いながらそのまま放置したのが、今に至るのですから。いつもと違うと思ったときに、もっと早い段階で、切っておいたほうがよかったのかなと思います。」
「手術したあと職場でも話が出たのですが、結局『ほかを信じる前に、自分を信じれよ』ということはずっと言っていました。自分を信じたらいいじゃないですか。」