がんと向き合う

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川村正司 さん
(かわむら・まさし)
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岩手県盛岡市出身。2000年(52歳)に直腸がんが見つかる。経営していた会社を1ヵ月で引き継ぎ、直腸がん(ステージ2)切除術を受け人工肛門を造設。術後は不安な気持ちが常にあったが、日本オストミー協会を通じて多くの仲間と知り合うことで人生観が変わり、全国のオストメイト(人工肛門・人工膀胱保有者)のQOL向上をめざして活動を開始。ブログ「オストミー・カフェ」。趣味はお祭りでのお神輿担ぎ(盛岡八幡宮南會)。
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3術後5年を迎えられた力とは

「たとえば『どこで自分の排泄が始まるかわからない』『どこでガスが出るかわからない』『尿がいっぱい出たらどうしよう』『そのために出て歩けない』『家の中にこもる』『自分の世界に入ってしまう』『ストレスがたまる』。そういう方々は常にがんというものの体質にはなっているんじゃないかと思うんです。ストレスがたまるとなおさらそういう可能性は無きにしもあらずでしょ。

ですから“心のストレス”という枠をはずすことによって、ストレスが少しでも解消されてくると元気になるんじゃないか。そうすると誰とでも話ができるようになる。日本オストミー協会に入っている面々は結構長生きしているのですよ。術後30年たっている人もたくさんいますからね。

たとえば『こういう治療をしたらこうなったけど、これはどうなの?』『ここが痛いんだけど、医者に聞くと"それは痛くなるよ"と言われて終わりだけど・・・』というときに、同じ治療をしている仲間とみんなで会話をして情報交換することで、精神的なストレスはある意味、とれるのではないかと思います。」

●仲間がいたから乗り越えられた

「『(手術して)5年過ぎたら神様からもらった命だから、大事にして生きでげ』と医者に言われました。がんとの闘いの中で私はいつも金太郎飴みたいな生活をしてきました。要するにどこを切っても同じ顔で、どの時点でも自分の(不安な)気持ちは同じでした。それが3年過ぎ、5年来た。何か5年過ぎたらほっとしたというか。その中でやはり仲間と一緒に話してきたというのは、その3年を乗り越える力、あるいは5年を迎える力だったのかなというのは思います。」

●術後、ポリープを2回切除
Q.術後、薬は飲まれましたか?

「(抗がん剤等の)薬を術後3年は飲みました。1年間は月1回通院、3年目頃から3ヵ月に1度、(11年たった)今は2〜3年に1度行って内視鏡で腸の状態を見て、ポリープがあればとっています。私はポリープができやすいタイプみたいで、2回ほど内視鏡でとっています。われわれは幸か不幸か内視鏡を入れるのが非常に楽なんです。お尻がなくてお腹から入れるので、痛くもかゆくもないです。」