「たとえば『どこで自分の排泄が始まるかわからない』『どこでガスが出るかわからない』『尿がいっぱい出たらどうしよう』『そのために出て歩けない』『家の中にこもる』『自分の世界に入ってしまう』『ストレスがたまる』。そういう方々は常にがんというものの体質にはなっているんじゃないかと思うんです。ストレスがたまるとなおさらそういう可能性は無きにしもあらずでしょ。
ですから“心のストレス”という枠をはずすことによって、ストレスが少しでも解消されてくると元気になるんじゃないか。そうすると誰とでも話ができるようになる。日本オストミー協会に入っている面々は結構長生きしているのですよ。術後30年たっている人もたくさんいますからね。
たとえば『こういう治療をしたらこうなったけど、これはどうなの?』『ここが痛いんだけど、医者に聞くと"それは痛くなるよ"と言われて終わりだけど・・・』というときに、同じ治療をしている仲間とみんなで会話をして情報交換することで、精神的なストレスはある意味、とれるのではないかと思います。」
「『(手術して)5年過ぎたら神様からもらった命だから、大事にして生きでげ』と医者に言われました。がんとの闘いの中で私はいつも金太郎飴みたいな生活をしてきました。要するにどこを切っても同じ顔で、どの時点でも自分の(不安な)気持ちは同じでした。それが3年過ぎ、5年来た。何か5年過ぎたらほっとしたというか。その中でやはり仲間と一緒に話してきたというのは、その3年を乗り越える力、あるいは5年を迎える力だったのかなというのは思います。」
「(抗がん剤等の)薬を術後3年は飲みました。1年間は月1回通院、3年目頃から3ヵ月に1度、(11年たった)今は2〜3年に1度行って内視鏡で腸の状態を見て、ポリープがあればとっています。私はポリープができやすいタイプみたいで、2回ほど内視鏡でとっています。われわれは幸か不幸か内視鏡を入れるのが非常に楽なんです。お尻がなくてお腹から入れるので、痛くもかゆくもないです。」