がんと向き合う

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内山とみ子 さん
(うちやま・とみこ)
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2000年ぐらいから痔のような症状が出て、2001年3月に手首を骨折し、その手術のために浣腸を受け、看護師から出血を指摘され、検査を勧められる。その3か月後に夫の急死などで検査を受けなかったが、その後、便秘がひどくなり、腹痛もあることから2002年5月に受診。叔母が大腸がんであることから内視鏡検査を勧められ、直腸がんが見つかる。ストーマ(人工肛門)を造設。ストーマケアは、自分なりに工夫したり、ストーマ外来を利用するなどしてつきあっている。患者会(ブーケ:若い女性オストメイトの会)に入ることで情報を入手したり心の励みとなり、いずれは誰かの役に立ちたいと語る。スポーツを楽しんだり、忙しい日を送っている。現在、息子夫婦・孫と同居。
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4人工肛門造設の説明とそのときの気持ち

「淡々といいますか、外科の先生ですので、事務的に机の上に紙を置いて、メモみたいな形で、簡単な図を書かれて、『ここに直腸があって、ここの部分に腫瘍があり、がんができているから、これを全部取ります。そのときに、肛門の括約筋も取るので人工肛門になります』と、話がずーっと流れていっているときに、自分のことで、人工肛門になるということが、そのときは、理解できないと言いますか、わかってはいるんですけど、なんとなく、他人事の形で…。

叔母のこともありましたので、人工肛門に対して、やっぱり大腸とか直腸とかそういうところにがんができれば、もうそういうことは仕方がないのかなみたいなこともありましたので。

実際に、私の目で見たことはなかったんですよ。それ(人工肛門)が、そういうものなのかというのが。だから、そういう意味では、実感的には、全然、腸・肛門をクローズして、腸がお腹の上に出てきて、そこから排泄物を出そうとかそういうイメージがわかなかったので。だた、机の上の、本の中のこととかには、そういうことが書いてあるので(すが)、それがどういうものなのか、これから一生ずっと続いていくということに関しては…。

診断されて、ウワーっというような大泣き(は)、そのときにはならなかったんですよ。ただ、家に帰って、妹とかに、実はこうこうでと言って、病気の名前を自分の口から言ったときに、大泣きしました。涙が出てきて、もう止まりませんでしたね。」