4人工肛門造設の説明とそのときの気持ち
「淡々といいますか、外科の先生ですので、事務的に机の上に紙を置いて、メモみたいな形で、簡単な図を書かれて、『ここに直腸があって、ここの部分に腫瘍があり、がんができているから、これを全部取ります。そのときに、肛門の括約筋も取るので人工肛門になります』と、話がずーっと流れていっているときに、自分のことで、人工肛門になるということが、そのときは、理解できないと言いますか、わかってはいるんですけど、なんとなく、他人事の形で…。
叔母のこともありましたので、人工肛門に対して、やっぱり大腸とか直腸とかそういうところにがんができれば、もうそういうことは仕方がないのかなみたいなこともありましたので。
実際に、私の目で見たことはなかったんですよ。それ(人工肛門)が、そういうものなのかというのが。だから、そういう意味では、実感的には、全然、腸・肛門をクローズして、腸がお腹の上に出てきて、そこから排泄物を出そうとかそういうイメージがわかなかったので。だた、机の上の、本の中のこととかには、そういうことが書いてあるので(すが)、それがどういうものなのか、これから一生ずっと続いていくということに関しては…。
診断されて、ウワーっというような大泣き(は)、そのときにはならなかったんですよ。ただ、家に帰って、妹とかに、実はこうこうでと言って、病気の名前を自分の口から言ったときに、大泣きしました。涙が出てきて、もう止まりませんでしたね。」