「(手術後すぐは)人工肛門のところが塞がれていましたので、実感的には、まだなかったですね。最初の間は、装具の交換とかも、全部看護師さんが(に)していただけるので、自分自身では、見ることがなかったんですね、実際の目で。
手術して、2週間ぐらい経ったときに、『病院のお風呂でシャワーを使ってください。装具も自分で(取り)替えてください』というときに、初めてガーゼを取って、装具も取って、お風呂で自分のものを見たときに、やっぱり、ちょっと悲しくなりました。裸の状態で鏡に映ったときに、やっぱり手術前と違う体になっているということが、かなりショックでしたね。」
「座薬をいただいて。座薬って普通、肛門のほうから入れるんですけど、肛門は括約筋があって、その筋肉で動いて、(座薬が)中に入りやすいんですけど、ストーマの場合は、腸ですから、中に入り込まないんですよ。もうどうしたらいいのかわからなくて、看護師さんに、トイレ行って座薬入れてきてくださいっておっしゃったので(言われて)、『すいません、私、入れられないんです』と言ったら、どうして大人なのにそんなこともできないんですかみたいなことを(言われて)。他の患者さんも周りにいらしたので、小さい声で、『すいません、私、人工肛門なので、よう入れられないんです』と言ったら、そのときに、看護師さんが(の)顔色がパっと変わって、『ごめんなさい』とはおっしゃったのですけども(言われたのですが)、もう、周りの方は、皆、聞いているので。大きな声を出して人に言えるようなことではないので、恥ずかしかったのと情けなかったという思いですね。
納得したわけではなくて、気持ち的には諦めなんですよね。人工肛門になったということが。でも、逆に、装具の扱いとかいろんなトラブルに対しても、最初のうちは、『なんで?』という思いが多いんですけど、年月を経ていくと、『ま、こんなもんなんや』というか…。ですから、逆に、今は、トラブルが起きないように、自分なりに、ちょっと早めの手当をしてみたりとか、体調が悪いなと思ったときには、お薬を先に飲んで便秘しないようにしようとか…。」