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中西 洋一さん
中西 洋一さん
(なかにし・よういち)
九州大学病院がんセンター外来化学療法室室長
1980年九州大学医学部卒。85年米国国立癌研究所留学などを経て、2003年から九州大学呼吸器内科学分野教授。06年からは同大病院高度先端医療センター長を兼務。専門は肺がん治療。
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2今日(こんにち)の肺がん治療

「本当に治癒を目指す治療というと、現時点ではやはり外科療法、手術ということになると思います。手術の成績は年々よくなってきつつありますが、それでも肺がんの早期で手術をした場合によくなる確率は、おおむね6割前後ではないかと言われています。放射線治療についても、以前はだいたい20人に1人ぐらいしかよくならなかったのですが、最近は成績のいい治療法によりますと5〜6人に1人ぐらいがよくなるようになってきました。

ただし、手術や放射線治療ができない方になると、これはもう薬物療法ということになりますが、その場合は治癒の見込みはきわめて低いと言わざるをえません。しかしそれでも治療することによって、予後の延長、つまり寿命が延びるということが現時点では明らかにされています。またそれ以上の恩恵と思いますのは、QOL、つまり生活の質が薬物療法を受けることによって明らかに向上することは確立できています。つまり肺がんの治療成績そのものは決して満足のいくほどのものではないにしても、少しずつ寿命も延びる、治癒の確率も上がる、さらには治療に伴って症状も軽くなる、という状況になっているのは間違いないと思います。」