5がん医療、日本と米国の差
「差はありません。違いがあるとすればおそらくシステムに差があり、同じ情報をどういうふうに料理するかという料理人の違いだと思います。たとえばがんの専門医や薬剤師にしても、その資格自体は日本も米国もたぶん同じような名前ですが、それがどのように機能するか、どのような役割を果たしているかはかなり違うと思います。同じ情報を与えられても処理の仕方が違うために、味付けの違うものが出てくるというのがたぶん、日本と米国の大きな違いです。一方、日本は(医療の)消費者である患者さんが非常に甘い!結構しっかりされている患者さんもいますが、あまりがん医療とか医療に対して国民的に関心がないのではないかという気がします。」
Q. 米国の患者は医療に対してもっと積極的ですか?
「数十年を通して、そういうふうに変わりました。国民性の違いだと言う人がいたのですが、国民性ではなくて、医療者側が患者に主体的になるようにずっと教育してきたのです。そういう意味では、(医療の)消費者としての意識の違いというのは、日本とはかなり違うかもしれないですね。 」