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林 「皮膚の保護といっても、人によってそれぞれやり方が違います。私の場合は石鹸で洗うことはせずに、清浄剤を使います。石鹸分、アルコール分のない清浄剤を使っているので、皮膚のかぶれなどは一切ありません。

尿路系ストーマの場合は、ストーマから常に尿が出ていますので、ガーゼで出口を囲んでおいて、ガーゼにさくらんぼ大の清浄剤をつけて、ストーマの周りをずーっと拭いていきます。そして今度は新しいガーゼでまた周囲を拭き上げて、終わりです。意外と皆さんこの清浄剤のことを知らないのです。」

溝口「今まで自分がしてきた方法を変えるというのは、なかなかタイミングが難しいですからね。」

溝口「林さんが言われたように、展示会に行くといろんなメーカーさんからサンプルをもらえます。（試してみると）中にはその後も使えるものがあり、一瞬で臭いが消えるスプレータイプの消臭剤は、家でも使っています。

消臭効果は長続きはしませんが、すごいです。ひと吹きすると、臭いが一瞬にして消えます。病院でも臭いがこもっている部屋にひと吹き、シュッシュっとやれば、臭いがすべて消えるということで、病院でも今かなり重宝していると言っていました。普通の薬局では販売していなくて、多分、装具業者さんしか扱っていないと思います。」

林 「装具を身体からはがすときに、あまり無理矢理早くはがすと皮膚をやられてしまうので、そのときはリムーバー（剥離剤）を使うのですが、アルコール性なので今度はそれを拭きとるのがたいへんです。ところが非アルコール性のリムーバーは皮膚への刺激がないので、拭き上げたらもう終わりです。もう手軽、手軽、手軽にと考えて私はやっています。病院も使ったことがないけれど、『林さんが言うなら使ってみようかな』と使ったところ、人気が出ました。」

溝口「被膜剤というのは、装具と皮膚との間にワンクッション（薄い被膜）を作り、（粘着テープによる刺激をやわらげて）皮膚を守るものです。」

林 「近頃新製品が出たのでとり寄せて使ってみると、『こりゃいけるぞ』と思いました。

皮膚に被膜剤が接着しているので、装具をはがすと普通は皮膚が少し赤っぽいのですが、新しい被膜剤だと皮膚にあまり色がつかずにさらっととれる。かといって外れやすいかというとそうでもなくて、バチッととまっているのです。やはりメーカーは考えて改良してくれています。」

林 「私は各メーカーのカタログを全部集めます。それを見て『これちょっと気になるな』と思うと、そのメーカーに『病院で指導に使うからサンプルをください』と言います。使ってみて『あの患者さんに絶対これ必要だな』と思ったら、それを1本あげてしまいます。必ず『これどこの？』と聞かれるので、『ここの業者よ』というと、行って買っているみたいです。」