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+ ストーマと向き合う
林 敏孝さん
(はやし・としたか)
2005年よりストーマ(人工膀胱)保有、膀胱腫瘍体験者。ストーマ造設の経緯はこちら »。溝口さんは同じ患者会の仲間。
林 敏孝さん
溝口隆馬さん
(みぞぐち・りゅうま)
1998年よりストーマ(人工肛門)保有、直腸がん体験者。ストーマ造設の経緯はこちら »。林さんは同じ患者会の仲間。
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6ストーマにしてよかったこと
●行動範囲が広がったこと

溝口「ストーマがついたことで身体障害者手帳をもらいましたので、制度で使えるものは有効に活用したいと思っています。全国共通だと思いますが(JR、バス、タクシーなど)公共の乗り物は半額(あるいは割引)という制度があります。また公共の美術館や博物館の入場券も付き添いを含めて割引制度があり、うちの者も絵が好きなのでおおいに活用しています。身体障害者手帳を持っていてもそういうときぐらいしか使うときがないので。ただ外見上はほとんど健常者と変わりません。知らない人が見ると『本当にこの人は障害者なの?』とちょっと怪訝そうな目で見られることはあります。いちいち説明するのも面倒なので、そのまま知らんふりして手帳を見せて中に入っています。」

●仲間ができること

「もうひとつは、仲間ができたということですよね。ストーマの仲間がまずできる、病院の関係の仲間ができる、それから医療関係の仲間ができる、というふうにどんどんどんどん仲間の輪が広がってきたのが、ストーマになってよかったことだなと思います。お互い結構通じるところがあるから遠慮なく話せます。普通の人だと『こんなことを言ったら向こうは気まずく思うんじゃないかな。私はどうも思っていないけど』と思うと話せずに、間があいてしまいます。それを考えると、ストーマの仲間ができてよかったと思います。」

溝口「患者会に来てもらえれば、多分皆さんいろんなやり方を工夫されているはずなので、それを耳に入れるだけでも、自分がいざ困ったときに『あの人はあんなやり方をしていたな』と思いつくのですが、それを知らなければ、実際どうしていいか、対処の仕方がわからないということがあります。確かに若い人はホームページ上で情報を仕入れるのでしょうけど、やっぱり生の声を聞いて、実際こんな使い方があるんだということをしっかりと見ておけば、多分自分が困ったとき役に立つ情報を、われわれ年配の患者はいっぱいもっていると思います。」

「話を聞くだけでもいいのだけど、提供してもらってもいいのです。『自分はこういうことをして、こういうふうに成功した』ということをどんどん出してくれれば、溝口さんが言われたように、とにかくいろんな情報が行き交うので、自分にあてはめればいちばんよいことです。

情報というのは、そんなに大きなものでなくていいのです。小さい情報の中に皆が困っていることがあるので、それを見つけて話してあげると問題は片付きます。病院は大きなところを言って、小さいところがないのです。だから患者さんは病院から聞いてもわからないし、病院は自分たちが体験していないから、われわれに『どうかね』と聞いてきます。」