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VOICE 膵臓がん

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河村 裕美さん
眞島 喜幸さん
(まじま・よしゆき)
NPO法人パンキャンジャパン 事務局長
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2006年春に妹さん(当時49歳)を膵臓がんで亡くす。その年に、膵臓がんの患者支援団体「パンキャンジャパン」を立ち上げ、現在、米国のPanCANと連携して膵臓がん患者と家族の支援活動を積極的に行っている。サイトでは、膵臓がんに関する最新情報のほか、米国の膵臓がんサバイバーの方の話も紹介している。
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7膵臓がん患者・家族の支援ネットワーク

「妹の場合、兄の私と、妹の主人、それから母、叔母、息子がチームを作ってあげることができたので、彼女はひとりで闘っているというようなことは感じなかったと思うのですが、そういう人ばかりではないと思うのですね。

そういう意味で、このPanCANのような組織が日本にあれば、ひとりで悩むことなく一緒に闘ってくれる同士を得ることができるのではないかと思い、PanCANジャパンというのを作りたいと思いました。」

●PanCANの活動目的

「PanCAN はミッションが3つあり、ひとつは膵臓がんの研究者の支援です。膵臓がんの研究者を支援することによって早期発見のツールを開発すること、それと根治療法を開発すること、これがまず第1です。第2は膵臓がん患者とご家族を支援すること。それは告知の時に必要な情報を提供すること。また治療方法の選択に関して、いろいろな情報を提供すること。臨床試験のデータベースがあるので、もし新しい治療方法にトライしてみたいという患者さんがいればそういう情報を提供すること、これが第2です。第3はがん患者さんに希望を与えること。これは情報提供もあるのですが、がん患者の中にサバイバーの方がいらっしゃるのですね。その人たちのお話を伝えることによって、こういうふうにすれば自分も経過がよくなるのか、あるいは助かるのかというような情報を伝えること。

やはりいちばん要になるのは早期発見なのですね。膵臓がんはサイレントキラーと言われていて、症状がないうちに発病するのです。実際に症状が出てから病院へ行ったのではもう手遅れという、8割の方はそういう形で見つかるということなので、なるべく早いうちに見つけなければいけない、そのためにはまずいちばん重要なのは教育ですね。PanCAN では年に5回、シンポジウムで教育セミナーをしています。」

●膵臓がん征圧をめざして

「膵臓がんは本当に難治性のがんの中でも過去20年間予後が改善していないがんのひとつなのです。たとえばエイズはもうほとんど慢性病に近くなってきて、エイズと一緒に生きながらえるということが可能になってきました。膵臓がんもそうなったらなと思うのです。

そのために何が成されなければいけないかというと、やはり研究者が膵臓がんに特化して十分に専念できるような研究資金があることですね。ですから国に働きかけ、そういった助成金制度を強化してもらわなければ、この膵臓がんを撲滅するというのはなかなか難しいのではないかと思うのです。それは日本だけの問題ではなくて、世界中の問題なのですね。

世界中にそういう志を持った方がいますので、一緒になって協力して闘っていけば、必ず膵臓がんを征服、征圧することができるのではないかと思っています。」