統合失調症と向き合う

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渡邉博幸さん
渡邉 博幸さん
(わたなべ・ひろゆき)
国保旭中央病院神経精神科
地域精神医療推進部部長
1992年千葉大学医学部卒業、同大附属病院研修医を経て、1998年大学院修了後、同精神科助手。2007年より同講師を経て、2009年に現職に就く。地方での精神医療の活性化を図るため、精神疾患に特化した訪問看護ステーション「旭こころとくらしのケアセンター」の設立など、様々な地域精神医療の仕組みづくりに関わり、それらとの強い連携のもと精神科医療を実践している。
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14訪問診療の実践

「私達、旭中央病院の精神科の訪問診療、アウトリーチは、いくつかのグループで一緒になって行っている。それが一番の特徴です。

現在、私達、神経精神科では4つのチームが1人の当事者の方を支えるのに、それぞれの役割分担をして関わっていく形になっています(図2)。そのうちの1つは、旭中央病院神経精神科の外来医療、医者側の立場というのがあります。

2番目には、病院の神経精神科プロジェクトチームがありまして、名前はコミュニティケア実務グループと言うのですけども、PSW(精神保健福祉士)、OT(作業療法士)を中心としたグループがアウトリーチに主に関わっております。

3番目には、今ここでお話をしている場所がそうなのですけども、精神科特化型の訪問看護ステーションである『旭こころとくらしのケアセンター』。

さらに、平成22年、今年の4月から精神科の外来でアウトリーチを進めていく、退院を促進して、例えば訪問看護ステーションに連携をしていくための部署として、精神科外来看護チームというのが立ち上がりました。現在4名の看護師、助手で構成されておりますが、合わせてこの4つのチーム、グループが、私達の旭中央病院で実践しているアウトリーチチームの構成になっております。」

図2. 旭中央病院神経精神科のアウトリーチのしくみ
図2
●グループホームについて

「長期の統合失調症の方を地域で生活してもらうためには、住まいを確保しなければならないというのが非常に大事だというお話をしました。旭中央病院の神経精神科でも、その住まいの確保というのを非常に重要に考えておりまして、いくつかのグループホームの運営に関わっていたり、あるいは民間のグループホームに対して強力なバックアップをしております。現在、4つあります。

最初の2つは、『NPO法人はんどいんはんど』というところで運営しています『にじの家』と『ハーモニーハイツ』という名前のグループホームです。

昨年、私達神経精神科で退院促進を大がかりにプロジェクトとして行いまして、おうちのない方達がグループホーム等に退院する(ために)いろんな準備をしておりました。なかなか私達の力でグループホームを立ち上げることができなかったのですけども、幸いなことに民間の居宅支援事業所のひばりさんというところが名乗りをあげていただきまして、旭中央病院のすぐそばのところにアパートを借り上げていただいて、『ヒバリハイム』1と2と2つあるんですけども、新しいグループホームが、今年の2月から開かれることになりました。そこに現在、5名の長期入院の方達が退院して日常生活を送っておられます。今年の11月には、病院立のグループホームが立ち上がることになっています。現在、その準備をしているところです。」

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