「渡邉先生:その中の一番の中心になりますのが『旭こころとくらしのケアセンター』。訪問看護ステーションですので、これから先のお話は訪問看護ステーションの施設長の齋藤さんにバトンタッチしたいと思います。
齋藤さん: 私達、昨年(2009年)の9月までは旭中央病院の外来の一部に訪問看護室というところを設置し、そこでお仕事をお手伝いさせていただいていました。10月からこちらのほうにオープンになって移動になりました(図3)。
そういう点では、場所が変わったというあたりで利用者さんもスタッフも、スタッフは3名増員になったんですけどもほとんど変わらない。外来の受診時の支援、あるいは在宅でのアウトリーチでの支援、不幸にして入院なさった場合には毎日病棟へ出向いて利用者さんの入院生活の支援、あるいは初期介入ということで、入院からもう退院に向けての支援の準備をお手伝いしております。
ですから、退院も非常にスムーズで短期間にということで…、例えば、一般病室に出られないで保護室に入っていた方がそのまま退院なさって私達のアウトリーチを利用するというケースも、最近はすごく多くなってきました。
ですけども、皆さん、ほんとうに安定した生活を営めるんですね。今までは、病院のほうでは囲いということでかなり病院での入院治療に主眼を置きましたけれども、最近は厚労省の努力で在宅支援ということで強化させていただいて、私達もそのへんに非常に力を入れて、(入院期間が)27年、30年の方でも在宅でなんなりと安定した生活をされている方が大勢います。ですので、訪問看護を利用しない方でも、先生のほうから外来で『この方必要かな』ということがあれば、すぐ連絡をいただいて、私達も同席して、私達はどういうことをやっているかを説明させていただき、利用していただいているんですね。
やはり入院から退院に向けての準備というのはとても大事ではないでしょうか。スタッフとはいつもそのへんを議論したりして、やらせていただいております。」
「男性が2名。非常に強みなんですね。女性が私を含めて3名で(計)5名ですね。で、事務さんが1名。(訪問看護師は)ベテランというか精神科オンリーの出身じゃないんです。オペ室とか救急とか、あるいは抗がん剤専門の看護師とか消化器(看護)の経験があるとか、たくさんのキャリアを持ったスタッフがいるということは、これから高齢者、超高齢に向けての合併症予防というあたりでは非常に観察の目が行き届いて、私の自慢できるスタッフじゃないかなあと思っています。」
「あとは、私達の強みというのは、旭中央病院とのネットワークで電子カルテが共有できるということです。在宅で利用者さんに何か先生に相談しなくちゃいけない、あるいは危機介入があった場合には、即、担当の先生に携帯で電話を入れて、ER(救急)の受診の必要性があれば、病院のほうに直接ステーションから電話させていただいて、その間に担当医がみな出動するというような体制を取っているんですね。
例えば、ある人が在宅時に脳梗塞で倒れましたという連絡があったときに、その方の内科の担当医、脳外科の担当医、それから耳鼻科、全担当医が出動して、私達の電子カルテでいろんな情報も共有できるし、その方の入院中もご本人のご了解は得ていますけれども、情報も電子カルテで参照しながら、何かあれば担当医とすぐ連携を取れる。そういうのが一番の強みじゃないでしょうかね。で(利用者が)外来に来ていて、私達がよそに訪問に行っていた場合にも先生からすぐ電子カルテのほうにいろんな患者様の情報が入って、ステーションに戻ったら電子カルテを開いて情報を見て、また指示があれば指示通りに動く、これが非常に一番の強みだと思います。」
「その他に、旭中央病院と旭市の市役所とも特別な関係があるんですね。経営者が旭市の市長さんがなっているんです。私達スタッフ5名と中央病院の多職種の担当、地域の生活支援センター、あるいは市の社会福祉課とも濃厚な関係を取りつつ連携を取っていますので、そういう公的なサポートというのも自慢できるほど非常に充実しているのではないかなあと思っています。」