統合失調症と向き合う

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吉原秀一さん
吉原秀一さん
(よしはら・ひでいち)
1944年生まれ。2歳年下の実妹が昭和41年(1966年)に発症、統合失調症と診断。初めての入院から現在まで病院生活を送っており、いずれは妹を地域で暮らせるようにしたいと思っている。地域の家族会やNPO法人の作業所「ほっとハウスやすらぎ」の運営に携わっており、また福島県精神障がい者家族相談員としても活動中。現在、実弟と2人暮らし。
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6当事者との関わり
●服薬について

「妹がたまに外泊してくるわけですよ。そのときに、つねに『薬飲んだか』というようなことは言います。特に妹の場合は朝昼晩、食前食後に飲むような、結構多剤のところがあり、(飲み)忘れるときもあるのでね。服薬だけはきちんきちんとやりなさいと。そうするとある程度の病状は抑えられるということですので。それは、常日頃、患者さんにもここ(作業所)のメンバーにも、家族の人達にも必ず服薬だけは、服薬だけじゃないんだけどもそれだけはやりなさいというようなことは言います。」

●妹の症状

「普段はどうっていうことはないんですね。ただ彼女の場合は、空笑が多いですね。空笑はけっして良い状態じゃないんですね。当人に聞くと、話せば楽しいこと、今、誰々と友達と話しをしているんだとか、そういうことで笑っているって言うんですけども。これは、ずっと続いている病気ですね。あとは妄想があります。もう彼女は大金持ちで、スターで、フィルムスターであり歌手であり…。

適当っていうと語弊があるけども、例えばテレビに映った小林幸子を『これ私だよ』っと(妹が)言うのに対し『あなたがここにいるのになんであそこにいるんだ』と言うと、うふふふ〜というような答えが返ってきますけども、長続きしないんですね。じゃあっていうようなことでこちらが質問を投げかけると答えられない、というような状況で終わってしまいます。」

空笑:周囲の人には理由がないように見える笑いのこと

●妹のこれから

「今、入院している病院からは退院を勧められているんです。主治医の先生からも服薬が上手にできれば退院できるというようなことを言われているんですけども、ただ今の私が引き取るには住宅事情とかを加味するとちょっと厳しいかなと。病院は、老人施設を一応は考えているみたいなんですね。で、一応、市の経済的にも負担があまりかからない老人施設には入居の手続きはしてあります。ただ、病院からまた施設ということで考えると『妹の一生ってなんだったんだろうな』と、それを考えると別な選択肢を考えてやれないかと、ここのところ何年かは考えています。

例えばグループホーム。ケアホームに関してはまだ(ここの)市の場合、特に充実しているわけじゃないから、結局グループホームとか…。当人は、一般のアパートとかそういうところに住みたいと言っているけど、そのへんのところはちょっと無理かな。と言うのは、彼女は(障害者)手帳1級なんですね。炊事洗濯とか生活するぶんにはできるんだけども、一人で生活させるためにはちょっと不安はあるというので、グループホームを考えているんですけど、今、私のめがねにかなったグループホームってまだないんですね。」

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