統合失調症と向き合う

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吉原秀一さん
吉原秀一さん
(よしはら・ひでいち)
1944年生まれ。2歳年下の実妹が昭和41年(1966年)に発症、統合失調症と診断。初めての入院から現在まで病院生活を送っており、いずれは妹を地域で暮らせるようにしたいと思っている。地域の家族会やNPO法人の作業所「ほっとハウスやすらぎ」の運営に携わっており、また福島県精神障がい者家族相談員としても活動中。現在、実弟と2人暮らし。
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11統合失調症の方へのメッセージ

「まあ、うちのメンバーとかそういう人達にはとにかく‘ありのまま’、飾ることはいらない、‘ありのまま’。あとは、悩み苦しみがあったならば、職員なり身近な人にすぐ話せと…。自殺志願者の人達も結構いるし、自傷他害(の人)もいるのでね、そういう人達にはやっぱり苦しいことがあった場合は話しなさいと、24時間いつでも電話をよこせばいいんだよということは言ってあります。」

●家族の方へのメッセージ

「家族に対してはですね、とにかく『私が死んだあと』のことなんて考えるなと。なんとかなるんだよと。で、なんとかなるための社会資源とかそういうものがなければ、みんなで一緒になってつくっていこう、制度なら制度を変えていこう、そういうことをみんなで一緒にやっていきましょうということは、みんなに言いますね、家族の人達には。精神障害者を抱えた家族が亡くなったときにその人達どうなったかみんな知っているだろうと、ちゃーんと生きているんだよ、生活しているんだよということを知ってほしいと。

ただ、1つの家庭にそういう当事者がいると、どうしても暗くなりがちで、お互いに秘密を持ったような気分になって、その秘密を抱えたままいろんなところで活動したりしなくちゃいけないので、そういう(秘密のような)ものは、せめて家族の中だけではとっぱらって、お互いにコミュニケーションを取っていってほしいということは、家族の人達にはお願いします。」

●病気をオープンにすることでの弊害は?

「うう〜ん、ないですよ。例えば家族会をつくったときだって、家族会の会長になるのに匿名というわけにいかないでしょう。だから最初からもう開き直ったと言ったらおかしいけれども、別に、もう失うものはないんだから。だから実名でずっと通していますし、特別、被害にあったとか不利益を被ったということはまずないです。かえって行政と対等に話せるようになったし、それこそ偉い先生達とお話し合いをすることもできるし。だから幅が、こういうことをしない人達よりは、私の周りの人達との幅が広がっていったから、かえって良かったんじゃないですかね。」

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