統合失調症と向き合う

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ぺこちさん
まるさん
(ニックネーム)
30歳、女性。2005年、26歳のとき、当時住んでいた沖縄で発症し2日間入院。退院後、東京の実家に戻ったがすぐに再発し、都内の病院に2か月入院。28歳のときに再発し再入院。退院後はいくつかの仕事に就き、現在は実家で両親と共に暮らしながら、絵を描くなどの創作活動を行っている。
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2受診のきっかけ
●さまざまな症状の出現

「これは急性的なものだったんですね。2005年の8月の私の誕生日ですね。あの付近から、それ以前からなんですけれども、夢で見たことが現実になったり、知らない人から声をかけられて、ちょっと深いお話をすることが多くなっていまして、その辺りから、自分の中では何か起こっているのかなっていう気持ちはあったんですけど。

まずは寝なくなって、食べなくなって、そして祈り続けるようなことをしたりとか、電波を感じたりとか、見えないはずのものが見えたりとか、なんか霊的なものになるとちょっと難しいんですけど話すのが、なんだろな…。光とか、結晶とか、あとは匂いですね。匂いがすごく敏感になってきて、そこら中、お香を焚いたような甘い香りがしてきたりとか、人からも匂いがしてきて、くさいと感じる匂いもあったり。花とか草とか木のそばに行くと落ち着くので、どうしてもそういうところへ行って、休みたくなるっていう状態が続いていまして。周りにいた人は、やっぱりおかしいなとは思っていたみたいで、心配して追いかけてきたりするんですけど、追いかけられると逃げてしまうっていう感じで…。

なんか1人になりたいんですよね。邪気とかそういうものを感じると、なんか胸の辺りが締めつけられるように苦しくなってくるので、どうしようもできなくなってしまって、それで、やっぱり木とか花とかそういうものの近くへ行って休むっていうことをしていました。

10日間ですね。10日間寝なくて、食べなくて。で、祈り続けたりとか、歩き続ける、これは1回目の覚醒なんですけども、1度目はそういう状態で…。(そのときは)沖縄にいたんですけども。」

●2日間の入院

「沖縄に住んでいて、夫が救急車を呼んで、病院に連れて行かれて、そのまま入院ということで、そこで急性錯乱状態っていう判断を、診断ですね、受けて。で、2日ほど入院しました。そこでは、急性的なものだという扱いをされて、精神病とかとはまた違うっていう感じで。それで父が迎えに来たんですね、その病院に、東京から。それで、何とか出してもらって、2日後に退院して、東京の実家へ帰って…。」

●退院後、実家で過ごす

「東京の実家で、10日間ぐらいは普通の暮らしをしていたんですね。買い物に行ったり、友達と会ったりお散歩に行ったり、家の掃除をしたりとか、普通に生活していたんですけど、10日後、8月の嵐の日に、友達が心配して遊びに来てくれていて、その友達を送りに行った帰りに、近くの喫茶店でコーヒーを1杯飲んで。そしたら、また感覚がよみがえってきてしまって、平常心でいられたのが、また勢いが出てきてしまって…。

まずは、なんか自分の体と地球とかがつながっているっていう感じがしていて。その頃、ニュースとかで山火事が多く報道されていて、その山火事になっている状態が、自分のせいってわけじゃないんだけど、自分に関係があるんじゃないかっていう感覚なんですね。『あ、こんなことが起こっている』って思うと、いても立ってもいられなくて。バランスを地球全体で取っているのと同じで、自分の体の中もバランスがあって、何か異変が起きると地球にも異変が起きるっていうふうな考えになっていて、すごく大きな問題になっているんですね、私の中では。」

●嵐の夜に捜索願い

「それで、いても立ってもいられなくなって、嵐の夜に高田馬場へ1人行って。親にも何も連絡せずに。それで、気がつくと神社に着いていて、嵐で雨が降っているのに、びしょびしょになりながら、そこ(神社)にいるんですよね。でもいい加減寒くなってきたので、ちょっと雨宿りしようと思って、雨宿りできる場所を探して歩いていたら、大学生が、『あの、びしょ濡れですけど大丈夫ですか』って話しかけてきてくれて。いやぁ、大丈夫ですって断ったんですけど、『うち近くなのでタオルと傘を貸しますから、ちょっと寄って行きませんか』って言われて。いや、でもそんな初めて会った人に、そんなことしてもらえないんでって言って。でもすごく心配していて、『たぶん、親御さんとか心配しているだろうから、僕の携帯(電話)を使って、親に連絡したらどうですか』っていうことを言ってくれて。で、私は何も持って行ってなかったんですね。携帯(電話)も持たずに、お金もわずかに2,000円ぐらいかな。それでわかったって言って親に電話したら、もう捜索願いを出していたと、警察に。すごい大騒ぎになっていて。でも私はその日、どうしても帰りたくないっていう気持ちがあって、今日は外で頭冷やすから、心配しないでっていうことをひと言って、(電話を)切って。で、その大学生の家に1日泊めてもらって、ご飯を作っていただいたり、お風呂を貸していただいたり、すごくお世話していただいて。次の朝、家に帰ることを決心して、家に帰ったんですけど、家に帰ったらもう大騒ぎで、(親から)すごく怒られて…。

家に帰ったとき、すごいすがすがしい気持ちで、笑顔で帰って、ただいまぁって言って、ちょっとまた出かけてくる、星を見に行きたいからって言ったら思いっきり殴られて。それだけ心配かけてしまったってことなんですけど。でも、その殴られたっていうのが、私の平和的な気持ちから急になんか怖いものに変わってしまって、『ええ』っていう感じで、『なんで、なんでだろう』ってすごく思って。で、家からすぐ出なきゃっていう気持ちになって出ようとするんですけど、止められて。そのいざこざが続いて、(私は)ずうっと歌を歌いながら泣いていましたね。『なんで、なんでだろう』っていう気持ちでいっぱいで。」

●家から逃げ出す

「それからやっぱり心配でしょうがなくなっちゃったみたいで、家から出してもらえないようになっちゃったんですね。で、私は外に星を見に行きたいってずうっと言っていたんですけど、やっぱり興奮している状態なので、出してもらえずに、家の外の鍵はかけられて。で、あたしはもうなんか、どうしようもできないんですね。あの、そこにいることが。で、『出たい、出たい』って言うんですけど、出してもらえないので、もう部屋の中に閉じこもって、何も食べずに音楽を聴いているっていう状態が続いていて。それで、親が寝静まった(午前)3時頃に、このままじゃ隔離されているみたいな気分だったので、ベランダの2階から飛び降りて、夜中の3時に、逃げ出したんですね。」

●公園で瞑想

「逃げ出したあとは、また高田馬場へ行っているんです、裸足で。2階から飛び降りているんで、足もちょっと痛めていて、(足を)引きずりながら歩いて行って。で、高田馬場のある公園を歩き回って、ちょっと大きな木があったので、その(木の)下で座禅を組んで静かにしていたら、なんか気がつくと自分の目の前に花の大きなつぼみが1つ置かれていて、アセロラジュースなども置かれていて。私は、なんだろと思いながらまたずっと(座禅を)続けていると、花のつぼみが3つになっていて…。

誰が置いていったかはわからないんですけど、もう深い瞑想の状態だったので。で、目を開けていると、すべてのものが、気が入ってきちゃうんですよね。なので、ずうっと目を閉じたまま、公園の中や外を歩き回っているっていう(状態でした)。でも、なんか水を浴びたくなるんですね。すごく清めたいっていうか、なんか悪いものがついたらすぐ清めて、ぴしっとしていたいっていう気持ちになって、それで、そこの公園の中にプールがあって、水着とか持っていないから泳げないんですけど、シャワールームでちょっと体だけ流してきれいにしたいなと思って、プールに入って。わずか何百円かしか持っていなかったと思うんですけど、お金を出して入って、きれいに清めて。そうすると、なんかいろんなメッセージが来たりするようになってきて、数字が出てきたりとか。数字でとんちみたいなことをずっとしているんですね。そういうやりとりを見て、私は笑ったり…。『あ、こういうメッセージを伝えてきてくれているんだ』と思うと、なんか不思議な世界ですよね。」

●警察署で1泊して病院へ

「そういうのを体験して…。でもやっぱり捜索願いを出されているので、追われているっていう気持ちがどこかにあるんですね。誰かが探しているっていう気配を感じるので、すごく怖かったんですね、捕まえられたらと。前も、沖縄で入院したときも手足を縛られて動けないようにさせられて、(それで)病院から出してもらえなくなるんじゃないかっていう恐れがあって、またそういう状態にされるんじゃないかって、どこかで考えていたみたいで、それで追われているものから逃げなきゃっていう気がしていて、神社に行ったり…。普段行ったことないんですけど、その高田馬場っていうのは。なんでかよくわからないんですけど、そこへ行くんですよねぇ。

警察に見つけられて、見つけられてというのは、まあ、私がたぶんちょっと変な行動をしていたんじゃないかなと思うんですけど、それで警察署に連れていかれて、警察の中で1泊させてもらって。で、もう(自分の)親を受けつけなかったんですね、そのとき。なんか隔離されるんじゃないかとか、そういう思いがあったので。それで、夫の両親が警察に迎えに来てくれて、(私は)車に乗せられて病院へ連れていかれました。」

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