統合失調症と向き合う

体験者の声 医療者・支援者の声 家族の声 私たちの活動紹介 イベント おしらせ
ぺこちさん
まるさん
(ニックネーム)
30歳、女性。2005年、26歳のとき、当時住んでいた沖縄で発症し2日間入院。退院後、東京の実家に戻ったがすぐに再発し、都内の病院に2か月入院。28歳のときに再発し再入院。退院後はいくつかの仕事に就き、現在は実家で両親と共に暮らしながら、絵を描くなどの創作活動を行っている。
movieImage
<<  1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  >>
6再度の退院後の生活
●沖縄から東京に戻る

「 (2007年)8月に入院して、10月に退院して、で、10日後東京へ帰って、それから年内はゆっくりしていました。ほんとに自由にさせてもらって。で、親にも相当話し合いというか、『こうでこうで、こういうことがあって、こうだったんだよ。こうしてほしかった、ああしてほしかった』って(話したら)、『あ、そうか』って、すごく親も私の状態を理解してくれるようになって…。

精神病、いろんなケースがあると思うけど、私はそれだけじゃない、何かの力っていうのをすごく感じていたので、そういう話がわかる先生に自分で会いに行って、こういうことがあったんですって、いろいろお話をさせていただいて。その先生も沖縄の先生なんですけども。精神社会っていろんな層があって、みんなの言っていることは真実なんですよね。どの病気の方も、その人が見ているものは真実で、いろんな世界があるから、それを理解して、『あ、そういう世界を見ているんだな』って。ただ、今、現実にいる世界と接点がなくなってしまったりとか、戻って来れればいいけど、私は行ったり来たりするんですね。今のリアルな世界にもいるし、上の方の夢の世界とつながっていたりもするし、行ったり来たりして。そこら辺がね、もっと理解できるといいなって(いう)願いはあって…。」

●カレー屋でアルバイト

「1月お正月過ぎてから、カレー屋さんでバイトを始めて。1日2時間というちょっとした時間しか働けなかったんですけども、店長さんもいい人で、ほんとによくしていただいて。それで、その代わりに私が看板を描いたりメニューを書いたり、そういう仕事をして。助けていただくことがたくさんあって、それで自分でこのままじゃいけないって考えて、英会話を始めたり、教会へ行ったり、絵を描いたり、とにかくじっとしていないで、何か現実を楽しむことをできるようにと自分なりに考えて、少しずつそういうこともやるようにして。

でもほんとはすごくだるかったり、あとタバコを吸わなかったんですけど、異常にタバコを吸うようになってしまって、覚醒してからですね。病院でもらいタバコをしてから吸うようになって、ひどいときで1日5箱。もう、息を吸うようにタバコを吸うようになっちゃって、泣きながら吸っているんですよね。それだけがやめられずに(います)。一番辛かったのは、そういうバランスを崩したことですよね。今は、減煙中ですね。禁煙を何度も試みたんですけど、まだできずにいて。少しずつ減らして、いつかはなくなるように努力したいなぁとは思っているんですけど。」

●四国、京都へと移る

「1月から5月末までカレー屋さんで勤めて、カレー屋さんが潰れてしまうんです。どうしよって思って、探して、で、近くのおそば屋さんでまた仕事をすることにして。着物を着てやるお仕事で、結構ハードなお仕事だった。忙しいお店だったので動きっぱなしっていう感じ。それを1か月ぐらい、1か月も経たないうちに祖父が危篤状態になってしまって、四国へ行くことになって。祖父が、もう間に合わなかったんですけど、亡くなってしまった日に四国に着いて。で、祖母が1人になってしまうので、私が残るという話になって、そこから半年ぐらい、田舎で祖母と2人で生活をしました。祖母のご飯を作ったり、家のことをしたり畑仕事をしたり…。

自分にとってもバランスを整えるのに一番いい環境かなって思って。それで、少しずつ自分の中でリハビリして、またちゃんと仕事ができるようになるまで、ここで頑張ろうと思って。でも田舎で友達とかいないから、話し相手は祖母だけ。しょっちゅう電話して友達には助けてもらったり。ほんとに友達に恵まれていて、すごく心の支えになってもらって。それで自分で、仕事ができるっていう自信がついてきて、半年してから1月に京都へ引っ越しして、京都の友達の家でシェアしながら、介護の仕事を始めました。」

●介護の仕事から創作活動へ

「最近まで介護と友達のお店を手伝うのと掛け持ちでした。あとは自分で、今、絵本を描いたりとか、個展があるので、それに向けて絵を描いたり、創作活動もやりながら、そういうことをしていたのですけども、今年の夏ですね、また感覚が鋭くなり始めてしまって。でも、今度は、自分で止めることができたんですね。あ、このまま行ったらまた危ないなって、どっかで気づいていたので、もうこれ以上、周りの人に心配かけたりしたくないので、自分で判断して、そうなる前に仕事を辞めて、実家に帰ることを決意して。ゆっくりしていたら、そういう感覚もあるけど、平常心を保てるっていうような状態にもなってきて、今は、すごく冷静に自分のことも見られるようになったし、周りからの目とか、自分だけの気持ちじゃなくて周りの人はどう感じるんだろうとか、違う目線で見れるようになってきて(います)。

幻聴とかは、聞こえたときもありますけども、音楽が聞こえてくるとか。でも冷静で、夢を見たのかなとか、そういう判断に変えているんですね。不思議な出来事とかもあるけど、あ、夢を見たのかなっていうふうに変えて。あんまりそっちに行きすぎちゃうと、ほんとに重くなってしまうので…。」

●現在の通院状況

「(島に)行っている間だけ、先生が替わったんですけども、その他、四国にいるときも京都にいるときも、3か月に1回ぐらいは東京に帰ってきて、(現在の)先生に診てもらって、お薬の処方だけはずっとしていただいて、(薬を)飲み続ける。前はね、勝手にやめて再発したので、薬だけは飲み続けています。」

●現在、飲んでいる薬

「(初めは)3回。朝昼晩、必ず飲んでいて、やっぱりぼぉーっとするし、意識も朦朧としているし、よだれは出るし手は震えるしっていう状態で(した)。でも、現在は変わっています。ずいぶん少なくなりました。今は、リスパダールを2mgと、ワイパックスを1mgと、ビカモールを2mgです。3種類。夜1回だけ。

リスパダール(リスペリドン):非定型抗精神病薬
ワイパックス(ロラゼパム):抗不安薬
ビカモール(塩酸ビペリドン):抗パーキンソン病薬
<<  1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  >>