統合失調症と向き合う

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ぺこちさん
まるさん
(ニックネーム)
30歳、女性。2005年、26歳のとき、当時住んでいた沖縄で発症し2日間入院。退院後、東京の実家に戻ったがすぐに再発し、都内の病院に2か月入院。28歳のときに再発し再入院。退院後はいくつかの仕事に就き、現在は実家で両親と共に暮らしながら、絵を描くなどの創作活動を行っている。
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10統合失調症の方へのメッセージ

「1人じゃないってことですよね。1人で抱え込んだりしないで、もっと信じていいっていうか、オープンになって、ほんとにつながっているって思うから。何か変えたいと思っている自分の意識を変えたりとか。自分が変わらないと病気とかも良くならないと思うし。

結構、悩んでいる人って、自分が理解されないんじゃないかとか、わかってくれる人が周りにいないとか、相談できなかったとか、結局、自分でそういうふうにプライドがあって人に相談できないとか…。でも、それじゃあ、自分がいっぱいいっぱいになっちゃうし、もっとオープンにさらけ出せる仲間がいるっていうことを信じていてほしい。1人でできないこともね、話すだけで楽になったり、怒りでもいいし、嘆きでもいい、悲しみでもいいし、嬉しいこと楽しいこと、美味しかったこととか、なんかありのままの感情を誰でもいいから、誰かに出せる場所があれば、絶対大丈夫な気がするんですよね。心が開いていれば、すべていいような気がして…。」

●自分を責めない

「私の周りの友達もそうだし、病院で知り合った仲間とか、今でもしょっちゅう電話がかかってきたり、話すことも多くて。うつの子もいたりして、家から出られないと。で、何もする気が起きなくて、お風呂に入るのも面倒くさい、トイレに行くのも面倒くさい。そういう人に焦らせてもしょうがないし。今はね、寝たい時期だから寝たいだけ寝て…。

でもそういう私も経験したんだけど、やっぱ焦りって出てくるんですよね。社会復帰できないんじゃないかとか、こんな寝てばかりいてだらだらとなまけものみたいだなあとか、自分を責めるんですね。そうすると、良くならないんです。自分の良いところを口に出して言うようにするんですよ。『結構笑顔が可愛いじゃない』とか、『人に優しいよぉ』とか、『こんなこともできるよ』って、自分に自信をどんどんつけさせるっていうか、言葉にして。そうすると、それがパワーになるから。自分に自信がつくと元気が出てくる。みんな自信がなくなると元気がなくなるような気がして、自分に自信が持てるぐらい、人に言われないんだったら、自分で言っちゃう。」

●ご家族の方へのメッセージ

「焦らせないっていうのは…。たぶん、本人も辛いけど周りの人はもっと辛いんじゃないかなって、私、思うんですよね。見ているほうは、何もできないじゃないですか。代わってあげたくても代わってあげられないし、どうしたらいいんだろうっていう人、たくさんいると思うんですけど。焦らせないで、信じて見守る。心配っていう気持ちは、エゴだと思うんですよ。そうじゃなくて、信じるっていうこと。信じていれば大丈夫なんですよ。開かれていくし、良くなっていくし。」

●医療従事者へのメッセージ

「やっぱり、いろんな患者さんがいるから仕方がない対応になってしまうとは思うんですけども、ちゃんとその人の話を、もっと聞いて(ほしい)。私の場合は、隔離されたことがやっぱすごく長い時間のように思えていたんですね、その中にいることが。だから、もっと違う対応ができないのかなあって私は考えていて…。

東京のほう(病院)は、そんなに長い間隔離しないで、すぐみんなのいるオープンな部屋になって、ま、閉鎖病棟だけども、病院内では自由に動けるっていう状態にしてくれていたので、そこまで重くなることはなかったんだけども。いろんな患者さんを、私は病院の中にいて見ましたけども、ちゃんと話していれば普通なんですよ。私も患者さんと話していると、普通に話すし、一緒に遊ぶし、音楽も聴くし。

例えば重症な人がいて、1日中、紙に文字書いたり絵を描いたりしながら、なんかブツブツしゃべっているんですけど、私は、別におかしいって初めから思わずに接するからかも知れないんですけど、『今日天気いいね、何しようか』とかって(言って)、で、『じゃーんけんぽん』とかって、もういいおばさんなんですけど、ずっとじゃんけんを2人でしていて…。で、すごい笑っているんですよ。それで、『あいこでしょ、あいこでしょ』って、一緒にずっとやっていて。その人のあいこでしょっていうじゃんけんの意味っていうのが、結構深いものがあって、私はそれに感動してなんか泣けてきちゃって、一緒にじゃんけんしながら笑ったりとか…。でも、いたって別におかしくないし、その人も普通だな。いろんな世界があるから、別にどんな世界を見ていてもいいんじゃないかなって思って、接しているけど。社会に出て行ったときに、仕事ができないとか、そういうところが問題かなって思う。仕事ができなかったり、協調性がなかったりとかしちゃうから。何かできる仕事さえあれば、そういう人でも、病院の中での生活じゃなくて、自立に(持っていける)。料理作れない人もいるかもしれないし、いろんな問題は出てくると思うけど、もっと考えられることはたくさんあるんじゃないかなあって…。

いろんな人を見ちゃっているから、全然、なんか何でも有りなんですよ。この人はこういう世界を見ているんだなあって思うと別におかしくないし。その常識がいろいろ違うっていうか価値観も違うし、人によって違うから、『ま、それもいいね』って思えれば、楽になる気がする。」

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