「先生達には話しを聞いてほしいって思いますね。話を聞いてくれる時間をもうちょっと長くしてほしいと。私はそのことにあんまり不満は、今はないんですけれど、最初の頃は、もう先生の言うことって絶対みたいなところがあるから。こっちから質問をする隙を与えてくれないというところがあって、そういうのはなんか辛いですね。友達とかに聞いても、『話したいこといっぱいあるんだけど時間がない』とかそんなふうに聞くと、もうちょっと聞いてほしいなあとか、普段会ったときも、普通に気軽に話をしたりしてほしいと思うんですよね。ずっと“先生”でいるから先生とかは、そうじゃなくて…。」
「自分がスタッフ側にちょっと立って感じたのは、弱みとかをちょっと見せてくれると、ああ、なんだスタッフさんもそういうところがあるんだって思って話しやすくなったりとか、すごく親しみを感じやすい。やっぱりスタッフだからなんでもできなきゃいけないとか、指導的にしなきゃいけないとか、そういうのはあんまりないほうがいいかなあって思いますね。訓練的な感じとかになられちゃうとなんか辛いですよね、こっちも。」
「働いている人の個性が見える病院が、すごく良いと思います。あの、(以前の)病院はみんな同じに見えちゃって、顔も服装もみんな同じに。まあ服装は白衣を着ているからだと思うんですけど、顔までみんな同じに見えちゃって、誰が誰だか全然分からないです。で、薬で頭もこう(ぼうっと)なっちゃっているので、ますます見分けがつかないし、名前もなかなか覚えられないんですけど。例えば、服装がみんなバラバラだったりすれば、例えば、あの人ナイキばっかり着ている人とか、あの人は面白いTシャツをよく着ている人とかって、覚えやすかったりするし、そういうふうに思いました。
あとうまく言えないんですけど、病院で働いている人の自由度が少ないと患者さんに対しての自由度もすごく少なくなる感じがするんですよね。だから、1人1人人間っぽくしてくれたほうがこっち(当事者)も気持ちが委縮しないで済むっていうか。緊張したりすることが多いと病状もすごく悪くなっちゃったりするんですけれど、ほぐしてくれるような環境がすごくいいかなって思うんですけど。」
「ネットが多いと思いますね。あと行ってみてデイケアだったり(を)見学させてもらうといいんじゃないかと思うんですよね。デイケアで患者さんがのびのびしているところは、スタッフさんも締めつけが少ないっていうか、と思うんですよね。
たぶん普通は、病院とかだと先生がいてその下にみんな、なんて言うんですか、下に付随しているような感じがするので、逆に、下っていうか、デイケアに通っている実際の患者さんのゆるみ度といったら怒られちゃうかもしれませんけど、ゆるいかどうかって見るとのびのびやっていれば、先生もきっと優しかったり人間的に懐の深い人だったりするんじゃないかなとか。なんかうまく言えないですけど。
先生自身も、いろんな気持ちの揺れだったりそういうのがいろいろあって葛藤したりいろいろ悩んだりしている先生とかだと、こっちの気持ちもすごく分かってくれる気がするんですよね。うまく言えないですけど、本だけじゃなくて、患者さんとどれだけ接してくれているかっていうのか、そういう人数が多い人(先生)ほどこっちの気持ちを汲んでくれやすいっていうか…。」