「病気を発症したというか、自分に症状があると自覚したのは、実は17(歳)なんですね。17歳の時に、いわゆる今で言う強迫性障害と言うんでしょうか、当時、強迫神経症と言っていましたけれども、そういった症状が出ていました。
当時17、18(歳)ぐらいで、自分の様子がおかしいので、本を立ち読みしていたと思うんですけども、読んだ時に、自分がその本の中の強迫神経症というところの症状とぴったし合っていたので、『あ、自分は病気なのかな』と…。」
「学校のレポートを作成する時に、もちろんレポート用紙に字を書き込んでいくわけなんですが、書いた字が非常に気になっている、気に入らないんですね。で、書き直してまた書いて、で、やっぱり気に入らなくて、また書き直してということをしているうちに、レポート用紙1冊がなくなっちゃうぐらいで、結局、そのレポートを完成させるわけではあるんですが、そこに行き着くまで、1つ字が曲がっただけでも嫌だとか、そういうこだわりとかが非常にあって…。
『これは、やっぱりちょっと常識的な行動、振る舞いではないな』という部分で、私の中では象徴的な自分の症状との出会いだったと思います。
あと、半分は妄想も少し入っていると思うんですが、例えば、歩いていて自分の頭の中で、こうなったら嫌だなあとか、ネガティブなこととか、倫理的に良くないこととかを頭で考えた時に、そういったものを打ち消したいという気持ちが起きて、僕はそのことを思ったところまで後戻りをして、歩き直しをするということがあります。そういう症状が、17(歳)以降、高校を出て、またその上の学校を出ても、ずっとあり続けています。実は、現在もあるんです。
で、今はなくなったんですけども、これは、一般的な症状としてよく言われるのが、よく手を洗う、手がボロボロになるまで手を洗うと。ただ僕の場合、不潔恐怖というものではなく、やっぱりこれも同じ、倫理的に嫌なことを考えてしまうとか、自分にとって良くないことを考えてしまったりすると、手を洗いに行く。それも今度は洗った回数が気になりだして、今度は数字恐怖という、いわゆる縁起恐怖と言われるものだと思うんですけども、そこに入っていってしまって、どんどんどんどん、強迫性障害の輪が広がっていって…。
当時は、そういうの(行動)は見えないところでやっていたのが、だんだん見えるようなところでも出るようになってきてしまったし。今はもう、あえて見せても別に周りの人が『そういう症状だ』と分かればということで、結構オープンなんですけども、そういう症状が昔からありました。」
「ううん、まったくないですね。まず親に関しては、やっぱり心配かけたくないというのがあって、言いませんでした。ただ、その当時、つき合っていた彼女には言いましたかね。それ以外の人に、友達とかにも言わなかったと思います。その当時は、それほど症状も多くなかったのかもしれないですね。だからゆえにそんなに気にならなかったのかなと。ただ客観的に考えると、やっぱり人と同じことをするのに(人より)時間がかかっていたのかなという想像は、今からすると、できます。」