「具体的に、精神科の受診もしくは精神科につながりを持ち始めたのは、実は28(歳)なんですね。それまで強迫性障害の症状は、もうずっとあったわけですけども、普通に一般就労、サラリーマンを10年間していました。
で、だんだん、仕事のほうが結構忙しくなってきたのと、当時は自宅から会社までが近かったんですけども、割合仕事が評価されて、東京に栄転になったことがきっかけで、3時間ぐらいかけて通うようになったこととか、管理職にもなったので、そういったストレスに耐えられず、ある日突然起きられなくなった。それでまあ精神科を受診しようと。
もっと正確に言うと、起きられなくなったのは33(歳)ですけども、かなり辛かったですね。強迫性障害のほうもあったんですけども、その症状もずっと改善されないので、もしなくなればいいなあとか、あと、どちらかというと話を聞いてもらいたいという部分で、相談役が誰もいなかったので、結局、いわゆる精神科病院に行くしかないのかなと…。」
「求めているものは、やっぱり『ひたすら話を聞いてもらいたい』という気持ちでした。僕は、精神科にかかる前は、精神科の病院というのは、自分の症状についてよく聞いてくれて、いろいろと楽になるアドバイスがもらえる、いわゆるカウンセリング的な期待を持って、無知のまま精神科に行くわけですけども。僕はやっぱり改善したい。で、今も改善したいと思っているんですけども、もちろん。で、また治ろうと、今もしているんですけども。
そういう意味・気持ちで精神科にまず足を向けて、で、実際、精神科を受けてみたら、(医師は)『はいはいはい』と聞いて、『じゃ、薬出しますね』と言って(薬を)もらって…。正直、まず、ちょっとがっかりしました。一番最初の精神科の初診の印象としては、ちょっと拍子抜けというか、『(薬を)飲みゃ治るのか』というか、『ほんとうに分かっているのかな自分の症状について』というような不信感のほうが強かったかな。」
「はい、2週間に1回の割合で通っていました。会社のすぐそばだと、クローズ(内緒)で働いていますので、隣町の個人のクリニックに、28(歳)から通って、会社を辞めるまで通っていたと思います。
僕、何度も引越しをしているんですね。その節目節目でいろいろ事情があって、引越しする中で、その近所の病院に通うような形で、4〜5箇所。
今はもう生活保護という形で、お金をいただいておりますが、当時は、そういうビジョンはなかったので、『仕事を見つけなくちゃ』という意識がずっとありました。ただ、症状が安定していないのと、またその次の病院が非常に薬を出す病院だったので、3倍ぐらい薬が増えちゃって、症状は治らない上に、副作用も出るという状況で、やっぱりすごく疲れやすい状況でした。そういった中で、何枚も履歴書を書き、(採用試験を)受け、落ち、で、受かっても、また辞めてしまうという繰り返しをしていく中で、何箇所か病院を変えていますね。」
「最初の初診の時は、僕のほうの説明だけを聞いて、薬を出されました。で、僕の話していることの内容は、まるで教科書に書いてあるような、その当時はまだ強迫神経症という言われ方をしていて、たぶんその時の病名は、強迫神経症となっていました。
ただ、それ以降にドクターを変えたんです。仕事を辞めて、引越しなどもして。精神の検査を、ちょっと具体的な検査名までは覚えていないんですけども、いくつか受けた中で、神経症ではなく統合失調症であるというような病名は、ま、後づけですね*。就労ができない状況になったあとに、そういう病名をいただきました。」
* 統合失調症の診断は症状に基づいて行われ、検査だけではできない