「一番心配しているのは、孤立しているかどうかという部分です。これは、僕の考えなんですけども、孤立をすると死にたくなるというか、そういうふうに人間というのはできているような気がして。これもやっぱり経験の中で、僕が感じたことなんだけども、やっぱり孤立をしないということ。
で、(それは)情報がないと難しいんですよね。だから、今、話していることを、今、誰か孤立している人が、パソコンが好きでね、動画を通して見て、自分が孤立しているなと思ったら、ちょっと自問自答してもらって、『死んじゃダメだよ』と。僕も当時は、一人暮らしで、ドクターだけとつながっていてという時代というのは、やっぱり死にたくてしょうがなかったから。ただ、だから今、答えを出さないで、とにかく生きていれば考えられないような人生の展開というのが絶対ある、必要としてくれる人は絶対いるという希望を持っていてほしいと考えます。
僕も、複数自殺未遂はしているわけですよね。救急車も2回ぐらいお世話になっているし、結構いろいろあるんですよ。そういう時って、やっぱり孤立してる時であって、今の活動が何かというと、もしかしたら誰かから借りてきた言葉かもしれないけど、ま、『1人ぼっちは1人じゃない』のでね、そういう人達がつながっていくことで、だいぶ生活は変わるんだよという、当事者自身への思いという(もの)が、今回のこの仕事を通じて伝わればいいなというふうに思っていました。」
「今の立場で考えると、家族の方もとても大変だと思います。これも症状によって違うかもしれないですけども、やっぱり精神病というのは、結構家族を巻き込むと思うんですね。そういう意味では、なんて言うのかな、家族の方に対して、同情という言い方がいいか分からないけども、がんばってほしいと思います。
ただ、どうしてほしいかという部分については、まず1つは、精神病というのは病気であって、けっして根性で治るものじゃないという部分を、やっぱり理解していただき、あと、今の僕が分かっている範囲内では、やっぱりいくら情報を、たぶん家族の方が情報を集めて、その人に伝えようとしても、伝わる人と伝わらない人、むしろ伝わらない人のほうが多いと思う。で、自分で動こうと思うまでは、当事者のみんなは、たぶん動かないと思う。だから、まず情報を集めていない方であれば情報をとか…。
あと横のつながり。家族の方自身が潰れないためにも、家族会に入ったりとかして仲間を作ってもらって、まず家族自身も楽になってもらって、子どもを見る余裕を作ってもらう。で、子どもに対しては、主体的に動くまで、情報だけはさりげなく流してあげて、気長に待ってあげてほしいというふうに思います。」