「現在、やっぱり日本では、精神障害者同士が単独、2人で結婚する、なおかつ子どもまでもうけていることに対しての理解というか、また支援もそうかもしれませんけども、充実していないと思うし。家内の家族なんかも大反対だったし、2人以外は子どもを産むことに対して、ま、ドクターも含めてね。」
「2歳3か月で子どもを(乳児院から)引き取って、現在、子どもは今年で5歳になるわけなんですけども、当時は、精神障害者同士の親は、子どもは全員乳児院に預けるものだと僕は思っていた。誰も教えてくれないから、そういうものなのかと思っていたけど、実はそうではないということを、引き取ったあとに知りましたね。
(保健福祉の)専門の方が言うには、『いやいや、自分で育てることも別に法的に問題なかったんじゃないの?』みたいな話を言われると、そうだったんですかと…。ただ、たしかに精神障害を持っていて、なおかつ親と同居していないので、2人とも、その当時、乳児を育てる実力があったかどうかということについては、もうあとの祭りなんですが、結果として乳児院に預けて、もしかしたら正解だったという答えもあるかもしれないし。でも、もしかしたら我々だけでも十分育てられた、支援を受けながら育てられたという可能性もあるという意味では、そういう選べるということについての情報は不足していたと思います。ま、結果オーライで、もう(娘が)戻ってきたからいいんだけどね。
現在は、子どもの支援については、保育園を優先的に入れていただいたりしているので、日中は安心ということです。」
「やっぱり子育てというものは、大変ですよね。ただ、普通のお父さんと違って、普通のお父さんという言い方も変だな、いわゆるサラリーマンとか、就労されているお父さんに比べると、子どもと一緒にいる時間は、たぶん長いと思いますね。
そういった中で子育てをしていて、困ったことはないかと言えば、ま、今年で5歳なので、言うこと聞かないので、これは普通のお父さんお母さん、特に、お母さんがよく道端で子どもに怒鳴りつけたりとか、ああいう気持ちもよく分かるし。ただ、そういうふうにはならないよう、なるべくお話で解決をしようと言いながらも、やっぱりやっちゃいけないことを子どもはやりたがるので、そういう一般的なことはあります。具体的に精神障害者だから子どもの育児について、今こういう支援を受けているということは全くないですし、私達としても、今は必要ないと思って、我々だけで育てています。」