統合失調症と向き合う

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和田公一さん
和田公一さん
(わだ きみかず)
43歳。17歳の時に精神症状を自覚する。28歳の時に精神科を受診、現在の通院先が6つ目になる。同じく精神疾患を持つ妻、そして今年5歳になる娘との3人暮らし。娘は、2歳3か月まで乳児院に預けた。19歳〜33歳まで一般就労をし、営業マンとして社内トップセールスを達成したこともあるが、症状との兼ね合いから退職。その後、何度か就労に挑戦したがうまくいかず、現在は、当事者活動を“仕事”と考え活動中。子育てにも勤しんでいる。
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12医療従事者へのメッセージ
Q.医療従事者へのメッセージ

「デイケアなどはケアが目的だから、スタッフには精神保健福祉士や社会福祉士の他にも、メンバーの中に看護師さんも入っていて、僕は、あの方とてもいいな、人間として素晴らしいなという人(看護師)もいたから、医療従事者全員に対して否定するつもりはない。ただ、当事者というのは、すごくメッセージがあるんだけど、それをきちんと伝えるボキャブラリーとか、経験とか、障害によるコミュニケーションの下手(べた)さというか…。それが、病気だからとか、あまり病気に逃げたくはないんだけど、実際問題、話していてもやっぱり論点が飛んだり、結局、何を言いたいのか分からないということを、関わっている人は切実に感じるんだろうなと、僕は思うんですね。そういう時には、割と当事者と普段から身近にいるような方であれば、僕が言うまでもないですけど、ひたすら傾聴していただいて、何かを求めているのであれば、それが何であるのかをよく考えてくれるような余裕を持てる職場であればいいなと思う。

ただドクターに対しては、ある意味今のドクターも、統合失調症という病名をつけてくれたことで、なんて言うのかな、障害者手帳をもらえたり、それによっていろんな免除があるわけだし、要するに社会資源、支援があるわけで、診断書を書いてもらっている限り、恩はあるとは思うんです。ただ、人間と対人間とのつながりとして、これは僕が関わった医者、精神病院、精神科の受診の仕方では…。だから、システム自体がもっと変わればいいのかな。どういうふうに、と言われると具体的には分からないけど、今の診断、診察のあり方にはやっぱりもう限界があるんだろうな。1人ずつ丁寧に診るには、時間が足りなすぎるとか、書かなければいけない書類が大き(多)すぎるとか。そうなってくると政治の話になっちゃうのかもしれないけど、そういう部分で改善されれば、ドクターももっと余裕を持って、患者の心を見つめようというふうに思ってくれるような展開があればいいな。精神医療全体の問題として、今の精神科のあり方を変えていかない限り、ドクターに期待する人も増えていかないのかなと思います。」

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