「2006年です。もう、結婚とかを考える前に子どもができちゃったの。そっちのほうが先に走っていて。もちろん生まれる前に入籍はするわけですけれども。ただ自分の中では、要するに家内と出会った年の2006年の段階で、翌年に子どもができているという想像はまったくついていない状況で、思いがけない人生の転換があって、もう、神がかり的に人生が変わっていったという。
だから、よく、この病気になると結婚とか子どもを持つことについて諦めている方が、僕の身近でもたくさんいると言っていいと思うんですが、そういう話を聞くと、人生何があるか分からないよと。」
「ううん、結婚は、忍耐ですよ。と思います。これはどういうカップルであるにせよ、障害の有無(に関わらず)、やっぱり育った環境、受けてきた人とのつながりとか、出会ってきた人の質とか、そういったものによって今の自分があるわけだから、まったく同じ人間はいないので、我慢して相互理解するという部分はある。
気をつけなくちゃならない部分というのは、そうですね、家内が、私の悪い部分を言えなくならないように。僕は、結構、内弁慶だから八つ当たりをするんですね。気づいたら謝るんですけども、それを家内が抱え、担い切れなくなると、すごく辛い思いをさせてしまうので…。あの、家内は割と言う時は言ってくれるので、『あれ、ちょっと辛かったよね』みたいなことを。
たぶん僕が八つ当たりする時というのは、たいがい症状がかなり絡んでいる部分があって。例えば、家内は朝強くて、僕は夜強いというふうに、ま、薬の関係なんかでそういう部分とかで、言わないけど、もっと朝早く起きてもらえればいいのにとか、たぶん思っているかもしれないし。それは症状じゃないか。ま、いろいろ迷惑をかけるわけなんですけど、悪かったなと気づけた部分については謝るということ。
あとは、維持していくためという部分になると…、これを言ったらおしまいなんだけど、相性の部分で、とても今、家内と私は相性が合うんですよね。その中で自分が成長したから、もしかしたらそう思えるのかもしれないけれども。ま、お世話をかけているから感謝して、悪いところの指摘があれば平にお詫びをし、共に子どもを育てて、一緒に長々と生活しようという気持ちを大事にする、そんな感じでしょうか。」