統合失調症と向き合う

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辰村泰治さん
辰村泰治さん
(たつむら やすはる)
1937年生まれ。2011年6月で74歳。大学生時代に発症。数回の入院、そして最後は22年間の長期入院生活を経験し、11年前に退院。現在は、社会福祉施設の運営するグループホームに住まい、いくつかの仕事にも従事している。音楽鑑賞と読書を楽しむ毎日を送っている。著書に『辰村泰治の七十年』(やどかり出版)がある。
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3入院治療について
Q.病院ではどのような治療を受けましたか

「まず薬物療法ですね。薬を飲みます、食後ですね。それから、電気ショック(電気けいれん療法)インシュリンショック(インシュリンショック療法)

そして、あとは、珍しく開放病棟がありまして、そこで作業療法、作業病棟とも言われておりまして…。病院には大きなバラ園があり、そこのバラ園のバラの手入れ、草むしりだとかバラの植え替えの穴掘りだとか土運びだとか、それから枯枝、枯葉集めだとか、そういう作業を、1週間のうち、お風呂のない日は、午前中2時間、午後2時間ぐらい野良仕事をやりまして、それで元気になりました。

閉鎖病棟の時には、作業療法はありません。」

電気けいれん療法:かつて電気ショック療法と呼ばれたこともある。薬の無い時代の暗いイメージがあるが、現在は、厳格な監視下で安全な方法で行われており、けいれんの起こらない方法(修正型電気けいれん療法)が主流である。うつ病、躁病、統合失調症の急性期などに有効である。
インシュリンショック療法:糖を分解するインスリンを大量に投与して、人為的に低血糖ショック状態を引き起こすことによって、統合失調症の興奮状態を治療する方法。一時は世界中で採用されたが、後遺症などのリスクが高く現在では行われていない。

Q.最初の入院期間は?

「最初の入院は1年足らずでしたね。それでもう学校へ戻っても良いよと。で、学校へも通いましたし。

ただ、今から思うと、そのふられた女性のことがなかなか忘れられなかったんですけども、電気ショックでしばらくは忘れていたんです。でも、外で学校などに行っているうちに、だんだんだんだん思い出したんですね。それと薬もちゃんと飲んでいたのか、ほんとうはお酒などは全然飲まないでくれと先生に言われたんですけども、ビールが飲みたくなって…。結局、そこで3回入退院を繰り返しましたよ、5年間で。22歳から27歳まで。」

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