統合失調症と向き合う

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森 実恵さん
森 実恵さん
(もり みえ)
33歳の時(結婚し、子どもが2人)に幻覚などの症状が出たことで心療内科を受診し、その後、病院を変え精神科に通院。34歳の時に1回入院経験がある。病気がきっかけで本を出版することになり、現在数冊の著書がある。作家活動の他、講演を依頼されたり、週に1回、職業リハビリテーションセンターで講義をしている。病気が原因で離婚し、現在は母親、娘、妹と同居。
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7仕事:作家として
Q.本を出すことになったきっかけを教えてください

「だいぶ治ってきてからの話ですけれども、それでも自分が社会の外にいる、社会に参画できない辛さ、孤独感というのがすごくあって…、その苦しみを浄化するために、1人で詩を書いていたのです。で、いつの間にか、その詩がノート5冊分ぐらいの量になっていて、いつかこれを出版できればいいなぁということで、最初は、出版社に原稿を持ち込みました。1社だけです。潮文社からですが、『心を乗っ取られて』という本を最初、出版することができました。これは、精神病の苦しみを詩とエッセイに綴った本です。

で、この本を読売新聞の記者にお送りしたところ、取材に来てくださり、読売新聞に記事を書いてみないかという依頼をいただきまして、連載を26回にわたって書かせていただきました。それをまとめたものが、『心の病をくぐり抜けて』というタイトルで、岩波ブックレットから刊行することができました。

また、この本を読んだ別の方から依頼をいただいて、『何とかなるよ、統合失調症』という本ですが、私の半生記を読んでみたいという依頼をいただいて、解放出版社から刊行することができました。

本が、やっぱり私にとってはすごく支えになっていて、書くことによって自分の心の中の葛藤とかモヤモヤとか、苦しさがすごく浄化されて、カタルシスを感じるということがあったので、文章を書くという仕事は、続けていきたいなと思っています。」

Q.新しく本を出されるそうですが

「今年、2冊本を出すのですが、1冊は、先程説明しました『何とかなるよ、統合失調症』の続編で、『グットラック精神病』というタイトルで半生記の続編を、明石書店から出版する予定です。もう1冊は、小説なのですが、今年はじめて小説を書きまして、『光りの花』という精神病院を舞台にした小説を書いたのです。文筆活動に、もっと本格的に取り組んでいきたいと今は思っていまして、小説とか、自分に書けるかどうかはちょっと分からないのですけれども、いろいろチャレンジしていきたいなと思っています。

自分の経験だけでは小説は書けませんので、やはり想像力をたくましくして、こういう設定でこういう主人公がいて、と自分の頭の中で組み立てる部分が、大半です。ちょっと専門的なことで分からないことなどがあれば、専門家の方にご意見をお伺いしたりして、取材というような本格的なものではないですけれども、たくさんの方のお力を借りて、一応1冊目の小説はなんとか書くことができました。まだ、発行の日までは決まっていなくて、今年中に出せたらいいなというあたりが、一応目標になります。」

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