統合失調症と向き合う

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森 実恵さん
森 実恵さん
(もり みえ)
33歳の時(結婚し、子どもが2人)に幻覚などの症状が出たことで心療内科を受診し、その後、病院を変え精神科に通院。34歳の時に1回入院経験がある。病気がきっかけで本を出版することになり、現在数冊の著書がある。作家活動の他、講演を依頼されたり、週に1回、職業リハビリテーションセンターで講義をしている。病気が原因で離婚し、現在は母親、娘、妹と同居。
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13メッセージ:ご家族へ
Q.家族の方へのメッセージをお願いします

「両親にはすごく感謝していますし、子どもにも感謝しています。

全国のご家族の方に対して伝えたいことは、精神病というのは、すごく長期に患う病気なので、ご自分の人生をすべて犠牲にして、病気の者に尽くすというような生き方は、ご自分もしんどくなってしまうと思いますので、目は離さず、でも手は出さず、口もあまり出さず、遠くから、つかず離れず、“不即不離”の関係を保っていって、そっと見守る、寄り添うというような関係が良いのではないかなぁというふうに思います。

キーワードは、“温かな無関心”と言うのですけれども。冷たい無関心とか、過干渉は良くないと思うのですが、『私はあなたのことを見捨ててはいませんよ、そっと傍で見守っていますし、愛していますよ』というメッセージは発するけれども、ゴチャゴチャうるさいことは言わないというような見守りの姿勢を持っていただけたらなと思います。」

Q.温かな無関心を具体的に言うと?

「1つ、高EE家族と言うのですか、感情表出が高い家族と一緒に住んでいると、再発率が高くなるというデータがあります。

それから、1日5時間以上、家族が一緒にいるとまた再発率が高くなるというデータがあるので、つかず離れずの距離の取り方が分かりにくければ、1日5時間以上、患者さんと家族が一緒にいないようにする。どちらかが、例えば患者さんが作業所に通うとか、患者さんが引きこもりの場合は、お母さんがカルチャースクールに通うとかパートで働きに行くとか、そういうふうにして、あんまり家の中でお互い顔をつき合わせて、しんどい思いをしないということに配慮していただけたらなと思います。」

高EE:EE(expressed emotion)とは感情表出のことで、批判的態度や情緒的巻き込まれの強い家族の感情表出を高EEという。
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